ひとりぼっちは高くつく。

仕送りをもらって生活しているのだが、金額は充分とはいえないため、生活はとても苦しい。これから先、父がもっと年を取って働けなくなれば、当然仕送りも減額(もしくは中止)され、私の生活はもっと苦しくなるだろう。

そんなことを知ると、多くの人はこんなことを言う。

「色んな人と助け合いながら暮らせば、お金がなくても生きられるものだよ」

これは事実である。世の中にはお金がなくても、貧しい人同士で助け合いながら暮らしている人たちがいる。私の知人で、ほとんど仕事もせずに生きている人がいるのだが、驚くべきことに、その人は「友情」で食べていたのだ。つまり、食べるものは友人が持ってきてくれるし、本や衣類もタダでくれる。なんと家賃すら、ほとんど無料のような金額で提供されているらしいのだ。信じられないかもしれないが、友情で食べているような人は世間にはけっこういて、そういう人を見ていると、人間の繋がりがどれほど大切か、よく分かるのだ。

それに比べて、私はどうだろう。友情で食べていくことが無理であるし、他人との助け合い生活も無理である。

ものをもらうこと自体にまず抵抗がある。米五キロをもらったら、私はたぶん、

(米五キロは二千円ぐらいだから、二千円ほどのお返しをしなきゃいけないな……)

などと思って、そのストレスで心が不安定になるだろう。

次に、ものの貸し借りが好きではない。そのため、あらゆるものを購入しなければならず、それもまた、家計を圧迫する。友情で食べている人たちはそのへんに大らかなのだろうが、私には無理だ。なにしろ、兄と同居していた頃、兄とマンガ本を共有するのがイヤで、兄弟で一冊ずつ、同じ本を持っていたほどなのだ。

「一人では食べていけないけど、二人では食べていける」

こんな言葉を私は多くの人から聞いた。たぶん、世の中の真理なのだと思う。だが、世の中にはそれが実行できる人とできない人がいる。とにかく一人でいたい、とにかく部屋にとじこもっていたい。そんな人には、こんな生活は無理だと思う。

ひとりぼっちは高くつく。何も悪いことをしていないのに、誰にも迷惑をかけていないのに、一人でいるというだけで、生活が苦しくなる。

「自宅でできる仕事」を開拓するのは急務だが、それと同時に、ひとりぼっちでも生活が苦しくならない方法も、模索する必要がある。

2 Responses to “ひとりぼっちは高くつく。”

  1. サリーです Says:

    二度目です。
    すごく、わかります。人から物をもらっても、お返しを考えなければならない自分とか。特に。
    ちなみに、自宅で出来る仕事、なかなか見つけるの難しいですよね。でも、二条さんは文章に長けているから、本をだすとか。。
    そんな大きな野望をもっても、バチは当たらないです。なんて大きなお世話ですよね。

  2. 二条淳也 Says:

    サリーさん

    共感して頂けましたか。自宅でできる仕事というのは、ありそうでなかなかないですよね。社会的に反道徳的だったり、住所が分からないような会社だったり……。

    野望を持ってもバチは当たらないと分かり、少し安心しました(笑)。

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