生活保護予備軍。

数十万人とも百万人以上ともいわれるひきこもり。このまま放置しておけば、その大半が生活保護に流れることになると思う。

だが、生活保護のお世話になるということは、大変な屈辱と自己嫌悪を伴うと思う。なかにはそれほど抵抗がない人もいるだろうが、私は違う。正直、死んでも生活保護だけは受けたくないと思う。

私の勘では、親が死んだ後のひきこもりは、大半が生活保護(もしくは障害者年金)に流れ、その屈辱にどうしても耐えきれない層が自殺を選ぶと思う。

生活保護か自殺か。

どちらも絶望的な未来である。

「生きていくためには仕方ない」

と思って生活保護を受ける人もいるだろうが、生きていくためなら人は何でもできる訳ではない。自尊心や美学を傷付けるぐらいなら死んだほうがマシと考える人は沢山いるだろうし、私もその一人だ。マスコミから流される生活保護叩きの風潮を、ひきこもりはとても敏感に感じ取っている。徹底的な社会的糾弾の対象になると思うと、とてもじゃないが生活保護など受ける心境にはなれないだろう。

「そんなに生活保護がイヤなら働けばいいのに」

と思う人もいるだろうが、死ぬ気でひきこもりから脱出しても、その先に待っているものが「時給八百円で使い捨てされる労働」では、誰も働こうとは思わないだろう。

私も、「ひきこもり脱出」の先に「良い未来」があるとは思えない。不安定雇用低賃金重労働パワハラセクハラ罵倒無視。そんな社会で誰が働こうと思うのか。そう考えると、ひきこもりから生活保護へというルートは、こんな世の中にした何者かへの復讐コースのようにも思える。

ひきこもりは誰のせいなのかと思うと、「自分のせい」「親のせい」「社会のせい」の三つが思い浮かぶ。多くの人は「全てお前一人のせいだ!」とひきこもり当人を責めることに必死になり、「親の責任」も「社会の責任」も免罪しようとするが、私はそうは思わない。ひきこもり急増の背景には、間違いなく劣悪な雇用状況が関係しているのだ。

百万人以上ともいわれるひきこもりが生活保護に流れないためにも、今のような雇用状況を変えるべきだと思う。

そっちのほうが遙かに経済的なのだから。

8 Responses to “生活保護予備軍。”

  1. こりー Says:

    生活保護は何ら恥じゃない、と私は思います。
    私も出来るならば生活保護は受けたくないですが
    (私も働きたくはないが、されど働くことが耐えられないほどの苦痛というわけでもなく
    財源が無限でない保護は、私の分を私より必要な他の誰か一人に回したいと願うため)
    だからといって受ける人を軽蔑しようとは思いません。

    私と同じ健康状態で同じ雇用条件、同じ労働をしてる人が、私の従事している労働を放棄して
    生活保護を受けたいと望んでも、労働の苦痛さは個人で違いますからそれもしょうがないと思います。
    卑怯だとは思わない。その人には耐えられない何かがあるのでしょう。
    額面的な条件が同じでも歩んできた人生が違う以上、それに基づく性格、価値観や考え方と感じ方、
    適応力、人間関係、苦痛を癒せる私生活の有無、必ず一人一人違いますから。

    制度は人に利用されるためにあるのだから、
    申請して通る境遇の人は安心して受けて欲しいと願います。
    誰もが自活出来るわけではない社会であることの社会側の責任を、その責任を社会が負うために
    個人に保証した権利なのです。行使は社会が積極的に認めなければならないと信じています。
    そういった社会であればこそ、人はまた社会を積極的に愛し
    生活保護を受けた人も自分の力を社会に還元したいと思えるようになるのじゃないかと。
    学生時代生活保護の理念を学んだ時は、日本には素敵な制度があるなと
    心温まったものでしたが、世間の風当たりを知った時、理念とは違う現実の社会を構成している
    人々の考え方を思い知り、がっかりしました。
    その世間の風当たりこそ、私が学び選んだ価値観からすれば恥ずべきものです。

    今の雇用状況を改善して欲しいというのはそうかもしれませんね。
    いろいろな人が納得して自活できる様々な働き方が用意されるといいと思います。

  2. 二条淳也 Says:

    こりーさん

    考え方は人それぞれですね。ただ、私は生活保護はかなりイヤですね。大変な恥だと思います。実際、私は以前、生活保護の申請に行ったことがありますが、大変な屈辱を感じました。

    ただ、こりーさんのように「生活保護を受けてもいいんだよ」と言ってくれる人は貴重だと思います。そうですよね。本来は、生活保護を受けても恥じることはないと思うほうが正しいですよね。

    生活保護を拒否して自殺する人がこれ以上出ないように、こりーさんのような人がもっと増えて欲しいと思っています。

  3. 白黒少佐 Says:

    この二条さんの記事で思い出しました。以前にYAHOOのニュースで読みましたよ。
    心ないマスコミや生活保護受給者(笑)のせいで、本当に生活保護がないと生きていけない人達が罪悪感を感じていますとインタビューに応える心療内科医さんのこと。
    真っ当な受給者とそうでない人の割合を調べた事はありませんが、日本でよくある『一握りの連中が同一立場の代表格であるかのような扱い』の1つなんじゃないかなと…沖縄の基地問題と一緒って言えばイメージつきます?
    そんな連中ばっかり強調表示されるから、生活保護を受けるのは恥だ屈辱だという声が生まれてる。
    本当に必要な人が我慢するなんて、苦しい状況が余計に苦しくなるだけです。
    制度は利用するためにあるというこりー氏の意見、全くその通りだと思いますよ。
    実を言うと僕も、初めてハローワーク通いする事になった時は屈辱でした。
    でも2度目の時は気楽になりました。よく考えたら当然です。
    その窓口にいるって事は、周りの人間も同じ立場。
    自分を笑ったりバカにしたりするはずないし、出来るはずないんですから。
    だからいつか、もう1回だけでいいんで、開き直って申請窓口に行ってみませんか?

    規模が違ってアレですが、似たような経験(笑)の持ち主として書きました。
    厳しい事言ってるように感じられたらごめんなさい。ではでは

  4. 二条淳也 Says:

    白黒少佐さん

    誤解して欲しくないのですが、私は生活保護受給者のことを「恥ずべき人」とは思っていません。正直、自殺したり反道徳的な行為をするぐらいなら、どんどん生活保護を受けて欲しいと思います。

    私は、自衛隊に一円出すのもイヤですが、生活保護のためなら五百円出します。

    ですから、市役所の人間が違法な手段で生活保護を申請した人を追い返したというニュースを聞くと、怒りを覚えます。

    ただ、私個人が、生活保護に抵抗があるということです。

    生活保護を受給するようになれば、プライバシーが裸になります。預金残高は全て把握され、気ままに旅行に行くのも難しい。親族にも連絡がいき、頻繁に役所の人間が来て「働け」と言う。それらに、私個人が耐えられないのです。

    ですから、それらに耐えられる人であれば、受給すれば良いと思います。

    良く考えれば、生活保護を受けていることがこんなに責められる社会なんて、おかしいですよね。

    生活保護受給者に対するバッシングなんて、ホントやめて欲しいです。

    なお、今のところ、私は生活保護を申請する気はありません。

    ご親切にアドバイスして頂き、本当にありがとうございます。

  5. 匿名 Says:

    スペース失礼します。

    Change.org(下記URL)にて安楽死に関する署名活動を行っています。賛同いただける方はご署名お願いします。

    http://goo.gl/epuQJ

  6. 二条淳也 Says:

    匿名さん

    こんな署名があるんですね。

  7. プライド Says:

    私は、中高年です。「恥ずかしいから貰う気は無い!」は大切な感性と思います。私の知っている方々は「権利・人権・当然」を既に叫んでいます。法学など学んだ事もないのに、「そう言ってくれる意見に当初は遠慮がちに今は保護当然だ!権利だ!少ない!」となっています。
    これから再就職をして利用されるだけの安い労働もイヤ、生活保護もイヤ、、一見矛盾したように見えますが私は理解できます。
    「腹を切る!」の気持ちは理解できますが、全くそんな気持ちも無く「お会いした事も無いヒトサマに日々の生活を押し付け、足りない!もっとよこせ!自殺するぞ!犯罪興すぞ!」の連中がゴロゴロノウノウと生きられる世の中です。私も実は似た状況です。只、私の最後の砦は「死ぬにしても他人様に迷惑も掛けず、警察友人親族に迷惑を掛けず綺麗に死にたい・生きるにしてもヒトサマに迷惑を掛けずと思います。」昭和一桁の両親に育てられた自分はやはりヒトサマに迷惑を掛けないが染みついています。
    最後は自分の今までの経験と感性による「プライド」に正直に生き死にを尋ね、必ず結論を出そうと思います。頓珍漢な投稿だったかもしれません

  8. 二条淳也 Says:

    プライドさん

    昭和一桁世代の親御さんは、さぞかし厳しい方だったのでしょうね。警察に対する迷惑も考慮するなんて、すごいですね。私は、周囲に迷惑かけたくないというよりは、役所に人生を把握されたくないというのがメインです。生活に対する干渉に耐えられないという感じです。

    企業が充分な賃金を払えば、かなり解決する問題なんですけどね。。。

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