誘いを断った理由。

食べることに、まったく興味がない。食事なんてどうでもいいと思っているし、食事が楽しいとも思っていない。食事なんて、適当においしくて適当に栄養があれば充分だと思っている。

これが多くの人にとって、理解不可能なことらしい。

「食べることに興味がないんです」

と言うと、多くの人はとても不快そうな顔をするし、時には怒り出す人もいる(事実だ)。人と違った嗜好を持っているということは、時に強い攻撃を招くことがある。

だが、興味のないことに興味を持てと言われて、果たしてそれが可能だろうか?

私は食事に五百円出すのも勿体ないと思う。食事なんて三百円の牛丼で充分だと思う。そして貯まったお金で、二千円の本を買いたい。

このような傾向は、変わり者のレッテルを貼られ、なぜか排除を呼び込むことがある。「あいつは変わっている」という評価を招き、なぜか集団内から排除されることがある。

ある職場で、先輩から「女の子と合コンするから来ないか?」と誘われたことがある。私はそのようなことが好きではないし、正直、女の子と合コンしているよりも一人で読書しているほうが好きなので、行きたくなかった。私は答えた。

「すいません。僕、合コン行くより読書しているほうが楽しいんで、不参加にさせて下さい」

これが職場の仲間から、大変な不評を買った。「あいつ、おかしいぞ」といったささやきが聞こえたこともある。

なるほど、女の子との食事より読書を選ぶというのは、若い男の感覚としては多少風変わりかもしれない。だが、それが「おかしい」という評価に繋がることが、私には納得いかなかった。

あるいは、合コンの誘いを断られた先輩が、面白くないと思って「おかしい」という評価を流したのかもしれない。いつも休憩室で一人でいる私を見て、先輩は(親切にも)合コンに誘った。「寂しい奴」だから、合コンに誘えば喜んでついて来るだろう。ところが、意外や意外、「合コンよりも読書のほうが楽しい」と断られてしまった。面白くないと思った先輩は、私に対してマイナスのイメージを持った……。そんなところなのではないか。

人にはそれぞれ、自分の大好きな瞬間がある。それが他の人にとって理解不能なことであっても、その人が楽しいなら、認めてやるべきではないか。

同調することばかりを求める日本社会では、少数派の人はたしかに生きにくい。

それが、ひきこもりのように社会からの撤退に結びつかないよう、それぞれが考えるべきだろう。

4 Responses to “誘いを断った理由。”

  1. バラ Says:

    私も仕事関係の誘いはほとんど断ります。

    はっきり言って楽しくないし、会社の外まで関わりたくありません。

    自分の歓迎会も断ろうとしましたが、怒られたので仕方なく行きました。

    慰安旅行なんて地獄でしたよ……。

    中にはしつこい人がいて、頭に来たので参加する素振りを見せながら当日ばっくれました。

    退き際というものを知らない無神経な奴は大嫌いです。

    ベタベタした人間関係が嫌いなので、それも原因の1つなのかもしれません。

  2. 二条淳也 Says:

    バラさんも、会社の人とはあまり関わりたくないんですね。

    自分の歓迎会も断ろうとして怒られたとのこと。申し訳ないんですが、笑ってしまいました(笑)。あまりにも私と同じ考え方なので。

    慰安旅行はたしかに地獄ですね。それにしても、今の時代も慰安旅行ってあるんですね。

    当日すっぽかして、あとで仕事に支障は来さなかったのでしょうか。心配です。

    深く付き合うと、必ず私生活を干渉されるので、そういうのはホント、イヤですよね。

  3. 馬の助 Says:

    僕も無理に人と食事をさせられるのは嫌です。割り勘なら自分の好きなところで食べたいし、偉い人の「ジャイアンの歌」やケツの穴の小さい(ケツの穴に爆竹突っ込んでやろうかと思う位)自慢話を聞かされるのも嫌。

    じゃあ相手がおごってくれるなら??それも嫌。なぜなら、おごってくれた奴に限って恩着せがましいし、後々面倒くさいから。仕事に守秘義務があるからあまり詳しくは言えないが、たった長さ5センチの蟹の足を(頼みもしないのに)おごられたから、それで何年も恩着せがましい態度をとってきたヘッポコ会長がいた。長さ5センチの蟹の足ってそんなに高価なのか??

    それなら俺が自分で喰う分は自分で買うし、でも、そこまでして長さ5センチの蟹の足欲しくない!ジャスコのカニカマで充分人生楽しめる!って事で一番ウマイのは便所飯…じゃなかった、一人で吉野家に行って牛丼を喰う事でした。

  4. 二条淳也 Says:

    馬の助さん

    ホント、誰かと一緒に食事をするのは気を遣いますよね。おごられるともっと困る。それも理解できます。

    5センチの蟹の足、笑ってしまいました。

    一人で食事をするのが一番気楽、まったくその通りですね。

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