良い辞めかた②

職場を辞める人の退職パターンを分類分けしてみたい。

みんなから惜しまれながら辞める「円満退社型」

ある日突然「今日で辞めます」と告げて来なくなる「即日退職型」

何も言わず、ある日突然姿をくらます「突然失踪型」

上司や先輩に不満をぶちまけて辞める「衝突退社型」

……大まかに分類すると、こんなところだろうか。会社側から解雇を言い渡されれば、さらに多くのパターンが発生するのだろうが、自分から辞めるとなれば、上記したぐらいだろう。

ある職場で七年近く働いていたことがあったが、辞める人で最も多かったのが「突然失踪型」だった。本当に、ある日突然来なくなるのだ。「あの人、今日は休みだね」といった感じで初日はみんな首をかしげているのだが、それが一週間ほど続いて、「あの人、辞めたんだ」となり、自動的に退職扱いになる。ある日突然姿をくらますのだから、その人なりに抱え込んでいるものがあったのだろうが、それにしても、この辞めかたもまずい。

私個人で言えば、私は「突然失踪型」で辞めたことはほとんどない。一番気楽な辞めかたなのかもしれないが、私のなかでは「突然失踪型だけはだめ」というようなルールがあり、この辞めかただけはしないようにしている。

今まで多くの人が退職していくのを見てきたが、女性は「円満退社型」が多く、男性は「突然失踪型」が多いように感じた。男性に関しては、本当に「突然失踪型」が多い。私に限らず、ストレスが限界に達するまでガマンし続ける人が多いのかもしれない。

そういえば、こんなことを思い出した。あるレストランで働いていたのだが、イヤなことがあり、「突然失踪型」で辞めた(私にしては例外的だ)。「もう、あんな職場には関係ないや」などと言って自宅でのんびりしていたら、レストランの店長がいきなり自宅のドアを激しくノックしてきて驚いたことがある。「店の制服を返してもらわないと、防犯上まずい」という理由で、私がドアを開けるまで執念深く待っていたのだ。

夜の十一時過ぎに、ドアの前で怒っている店長の顔を見て、「突然失踪型」は本当に怖いと思うようになった。

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