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反省
風の墓場 最深部
そこでは奇妙な光景が繰り広げられていた。
髭もじゃの山賊ファッションの男が正座させられており、レザーファッションの美女がその前に仁王立ちする。
「本当に、この馬鹿旦那が!人を含めたすべての生き物に迷惑をかけおって!貴様が理性をなくして力を暴走させたせいで、400年前は世界そのものが滅びかけたのじゃぞ!」
マザーは正座してる男に腰に手を当てて説教している。
「きゅいきゅい!」
なぜかその足元で、ミルキーまで非難するように鳴いていた。
「だ、だけどよう……」
正座した男はなおも言い訳をしようとするが、マザーに殴られておとなしくなる。
「だけどじゃない!フェザー、本来われら竜族はすべての生き物の守護者であるべきじゃ!それが破壊神となってなんとする!」
「きゅい!」
妻と子に責められ、フェザーは何も言い返せなくなる。
しかし、またもぶつぶつと愚痴をこぼし始めた。
「そりゃほかの生き物に迷惑かけたのは悪かったけどよう。人間は滅ぼしてもいいだろうが。そもそも竜族のメスがいつもオスをほっぽって人間の男の尻をおいかけるから、俺たちはいつもさびしい思いをして……」
下を向いて拗ねるフェザーに、マザーは蹴りを入れる。
「愚か者!何を言っておる。変な邪推をするでないわ!」
「だ、だけど……」
「よいか?われら竜族は、本能的に人間の姿をしたものに親近感をもつ。だが、それは性愛ではなくて親愛だと、なんどもいっておるじゃろうに。ワラワたちにとっては、人間は愛すべき可愛いペットなのじゃ!」
「きゅい!」
マザーの足元でミルキーも同意するように鳴き、フェザーの足に噛み付いた。
それを聞いて、リトネたちもなんともいえない顔になった。
「……私たち、ペット扱い?」
ナディは憮然としてリトネの袖を引く。
「いや。ペットというのは言葉の綾だろ。俺たちがミルキーを見て可愛いと思うように、竜族にとっても人間はそう見えるんじゃないか?子犬とか子猫を見て無条件に可愛がりたくなるみたいに」
「なるほどね」
リトルレットも同意する。
「でも、あいつは人間を嫌っているぜ」
「犬や猫を嫌う人もいるたろ?それに、人間の中にも本気で恋人のペットに嫉妬している大人気ない人もいるだろう」
「……そうか」
トーラも納得する。
「でも、あの人なんだかかわいそう」
リンの言うとおり、フェザーはマザーとミルキーの二人に責められて涙目になっていた。
「きゅいきゅい!」
ミルキーは一生懸命フェザーの拗ね毛が生えた足をかじっている。
「いたいいたい……なんだって?『変なおじさん、パパとお姉ちゃんたちをいじめたから嫌い』だって?ちがう!ムスメよ。俺がパパなんだぁーーーーーー!」
フェザーは涙を流しながらミルキーを抱きあげようとしたが、ミルキーはその手を逃れてリトネの頭の上に上ってしまった。
「きゅい!」
「なんだと!『あんたなんかパパじゃない!パパはこの人だもん!』だって!!てめえ!俺のムスメをたぶらかしやかっで……」
思わず立ち上がりかけたフェザーだったが、今度はマザーにビンタを食らってしまった。
「いい加減にあきらめるがよい、我ら竜族の初めてみたものを父親だと思う刷り込みという習性は知っておるじゃろうが!」
「だけどよぅ!本来それは俺の役割なのに!」
往生際が悪いフェザーに、マザーは冷たく言い放つ。
「あきらめよ。ミルキーは既に寄り父としてリトネを認識しておる。何をどうしても無駄じゃ、巣立ちするまで、お主を父と思うことはない」
「そ、そんなぁ……うわーん!」
フェザーはがっくりとうなだれると、その場で号泣した。
「……あの人ってこの世界で最強の存在なんですよね。でも、なんと哀れな。同じ男として少し同情してしまいます。もしや、男とは家庭を持つと、どんなに強い存在でも妻と子供に頭が上がらなくなるのでしょうか……背中に哀愁が感じられます」
「……サブロウさん。言わないでください。俺は今必死にそのことを考えまいとしているんですから」
リトネとサブロウは、お互いに顔を見合わせて深くため息をつくのだった。
新小説投稿サイト「カクヨミ」にて新作を投稿したので、お知らせさせていただきます。
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元ニートは大家を目指す
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154895726
穢れた救世主は復讐する~『最後の審判ゲーム』~
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