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貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います 作者:大沢 雅紀
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シーフとの戦い

「リトネ様!」
それを見ていたサブロウが悲鳴を上げる。
「大丈夫じゃ!ほとんどダメージはない!」
「ですが!」
マザーはそういうが、サブロウはリトネが心配で、いてもたってもいられない。
「今はミルキーを助けることが優先じゃ!シーフは奴に任せるのじゃ」
「……わかりました。ですが、どうやって?」
ミルキーが拘束されている祭壇の上に立つが、緑色のロープはミルキーをがっちりと捕えている。
「その短剣を貸すのじゃ!」
マザーはサブロウが持っていた短剣をうばいとる。
次の瞬間、マザーは自らの胸に突き刺した。
「何をするのです!」
「案ずるな……フェザードラゴンの魔力がこめられたロープを切るには、今のわらわではこうするしかないのじゃ。……剣に血をつけて……」
そこまでいったとき、マザーは力尽きたように倒れた。
「マザー様!」
リンはあわてて駆け寄って、傷口の治療を始める。
「サブロウさん!早く!」
「わ、わかった!」
サブロウ短剣にマザーの血をつけて、渾身の力をごめてミルキーを拘束するロープに振りおろした。
「きゅい!」
ロープはあっさりと切れて、ミルキーが自由になる。
「きゅいきゅい!」
ミルキーは慌ててマザーに駆け寄り、その傷口を舐めた。

ミルキーの口から出る白い唾液が、マザーの傷口をふさいで行く。
「わが子よ……無事でよかったぞ!」
「きゅい!」
マザーが目を開けたので、ミルキーは嬉しそうに鳴いた。
「フェザードラゴンの呪いを打ち破るには、そなたに今まで与えた乳が必要じゃ」
「きゅい!」
ミルキーはマザーに口をつける。見る見るうちに五歳児だったマザーは大きくなり、妙齢の女性に戻っていった。
対照的にミルキーは小さくなり、半年前の卵から出た直後の状態に戻っていく。
「せっかくあそこまで育っていたのに、すまんかったの」
「きゅい!」
ミルキーは気にするなという風に、首を振った。
「ミルキーちゃん。よかったです」
リンは嬉しそうにミルキーを抱きしめる。
「……さて。後はリトネがシーフを倒すだけじゃが、苦戦しておるのう」
元の姿に戻って余裕を取り戻したマザーは、リトネとシーフの戦いをみてつぶやく。
リトネはシーフの猛攻を受け流すのに精一杯だった。
「剛竜拳!」
シーフのすばやい物理攻撃な耐えかねて、体を硬い気で覆った瞬間、風の衝撃波が襲ってきてリトネの内蔵を揺らしてダメージを与える。
「柔竜拳!」
その衝撃波を避けるためにに体を柔らかい気で覆ったら、シーフの直接攻撃にって物理的に『気』が散らされる。
あまりにもシーフの動きが素早いので、リトネが行動を起こす間に先手を取られて攻撃されていた。
「くっ!虚竜拳」
結局リトネの打つ手は自分の身を軽くして攻撃を受けながしつづけるしかないが、その状態ではまともに攻撃することはできない。いずれシーフにつかまって、引き千切られることは目に見えていた。
「ああっ!勇者様が!」
「お兄ちゃん!」
サブロウとリンが心配するが、二人の戦いに割って入ることもできない。
新小説投稿サイト「カクヨミ」にて新作を投稿したので、お知らせさせていただきます。
よろしければ評価をお願いいたします。
元ニートは大家を目指す

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154895726
穢れた救世主は復讐する~『最後の審判ゲーム』~


https://kakuyomu.jp/works/4852201425154878348
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