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風の墓場の戦闘
風の墓場
最深部にはも、なぜか何十もの宝箱が集められていた。
そこにつれてこられたミルキーは、むなしくリトネを求めて鳴いている。
「きゅいきゅい!!!!」
必死になって自分を拘束する緑色のロープを噛み切ろうとするが、どうやっても切れない。
そんなミルキーを、なぜかシーフは愛おしそうに見つめていた。
「カワイイ……」
緑色の手で触ろうとする。
「きゅい!!!!!」
シーフに触られたミルキーは、ひたすら嫌がってもだえていた。
「スマン……」
シーフは手を引っ込めて、巨大な扉の前に立つ。
それは竜の絵が描かれており、それによって厳重に封印されていた。
「ナントカシテ……ヤブル。マッテテクレ……」
シーフは愛情たっぷりの声をミルキーにかけて、宝箱の一つをあける。
そこには、シーフが生前集めてきた伝説の武器の一つである『風の剣』がはいっていた。
「コレラノブキノマリョクヲツカッテ、ゴウインニヤブル」
シーフは風の剣を構え、一気に扉に切りかかる。
「……『極風剣』」
すべての魔力を扉の封印に向けて放つと、竜の絵の一部が削りとられる。
『グワッ』
しかし、その反動で剣は粉々に砕け、シーフの体も粉みじんになった。
「きゅい?」
それを見ていたミルキーの目が点になる。
しかし、しばらくしたらシーフの体がひとりでに集まり、復活を遂げた。
「ツギハ……『雷の兜』ヲツカウ」
再び伝説のアイテムの魔力を扉に向けて放つ。
いくつもの貴重な伝説のアイテムと引き換えに、扉の封印は確実に削られていくのだった。
風の墓場
サブロウを先頭にして中に入る勇者パーティ。
「最深部から、とてつもない魔力を感じる」
「いそぐのじゃ。ワラワがフェザードラゴンに施した封印は400年前のもの。劣化が進んでおるので、破られるかもしれん。そうなったら、この世界の破滅じゃ」
「わかりました。『剛竜盾』」
リトネは婚約者たちとサブロウに『気』によるシールドをかけて、ダンジョンの奥に進んでいった。
「しかし、グールたちがいないな」
警戒して中には入ったものの、風の墓場の中には魔物はほとんどおらず、ほとんどおらず、たまに見つかるグールはすでに半ば朽ち果てて立ちあがることもできないものばかりだった。
「まだ動けるグールは最初にここから出て、フーマの里を襲ったのでしょう。それらはみな返り討ちにしてやりました」
サブロウが誇らしげに胸を張る。
「なら、気にしなくていいか。どんどんいこう」
リトネたちはグールたちと戦あこともなく、サブロウの案内もあって簡単に最下層にたどり着く、
そこは体育館のように開けた大きな空間だった。
巨大な扉があり、その前では緑色のグールが必死になって魔法を放っている。
元は扉いっばいに描かれていた竜の絵が、魔法によってほとんど削り取られようとしていた。
「いかん!あの絵を全部削られたとき、フェザードラゴンがよみがえる」
「いきましょう!」
マザーの言葉に、リトネとヒロインズはあわてて最下層に飛びおりる。
緑色の大きなグールは、振り返って邪魔者たちを威嚇した。
「ナニヲシニキタ……カエレ!」
「きゅい!」
リトネたちの姿をみて、縛られているミルキーがうれしそうな声をあげる。
「俺とトーラたちはあいつを抑える。サブロウさんとリンと師匠はミルキーを助けてくれ!」
「わかりました!」
サブロウとリンはミルキーが縛られている台座に駆け寄る。
リトネは憎悪に狂った目をしたシーフと対面した。
「いくぞ!」
リトネとトーラが正面から突撃し、ナディとリトルレットが後方から魔法で支援する陣を組む。
「もらった!」
トーラの拳がシーフの鳩尾を突こうとしたとき-
「えっ?」
トーラとリトネは間抜けな顔をする。
「『加速』
シーフがつぶやいた瞬間、一瞬で姿が消えたからである。
「後ろか?」
振り返ったリトネは驚愕する。分厚い『剛竜盾』のシールドで守られていたはずなのに、一瞬でナディとリトルレットを打ち倒されていたからである。
「『衝撃風」
次の瞬間、シーフの拳から風の魔力をまとった衝撃波が放たれ、トーラとリトネを襲った。
「くっ!『柔気装』」
リトネは一瞬早く柔らかい気を放って衝撃波と相殺するが、トーラはまともに食らって内臓を揺さぶられ、血反吐を吐いた。
「トーラ!」
「だ、大丈夫だ。この程度じゃあたいは倒れねえ!『燃焼拳』」
痛みをこらえてシーフに駆け寄り、炎をまとった拳を放つ。
しかし、シーフは風に揺れる柳のようにゆらゆらとかわし、一発もあたらなかった。
「ま、マジかよ!早すぎる!拳があたらねぇ!がふっ!」
焦ったトーラは渾身の力を込めた拳を放つが、あったりとかわされて鳩尾を突かれ、気絶した。
「くそっ!柔竜鞭」
トーラが倒されたのを見て、リトネは柔らかい『気』の鞭でシーフを打ち据えようとするが、あまりのスピードに触れることすらできない。
反対に一瞬で懐に入られてまった。
「『衝撃風』」
「くっ!『虚竜拳』」
至近距離で衝撃波を放たれ、とっさに自分の体を軽くして受け流す。
リトネの体は木の葉のように吹き飛ばされた。

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