年賀状が一通しか来ない。
元旦に郵便受けを開けてみると、一通だけ年賀状が来ていた。よく行く美容院からで、宛名も裏面も印刷の文字だけであり、手書きの文字はまったくなかった。これが、今年の正月に来た年賀状のすべてだった。
おおよそ予想はできていたが、やはり悲しいような気もする。元来、私は他者と接触するのが好きではなく、孤独を好むほうなのだが、それにしたって年賀状が一通しか来ないというのは、やはり悲しい。一人暮らしをしているので、「一通しか年賀状が来ない自分」を家族に見られる屈辱は味わわずに済んだが、それでも、貧困な人間関係を正月早々痛感させられて、自分自身を恥じる気持ちになった。
限られた少数の人たちとしか交流していないので、私のなかには、はるか前の「友人たち」が未だに心の中に残っている。数十年前に別れたフリーター仲間や同級生などが、未だに「友人」として私の中に残っている。
彼らとは、住所を教え合っている。関係を断ってから数十年経つのだが、未だに彼らからの年賀状を期待している自分がいる。昨年の年末に、ふと私のことを思い出し、年賀状を書いてみる気になったかもしれない。そんな淡い期待を抱いている自分がいて、少し情けなくなることもある。人間関係が貧しいと、はるか以前に関係を断った人にさえ、そんな期待を抱いてしまうのだ。
「彼女がいない」と悩んでいる人に、私は言いたい。
私には彼女がいる。友達がおらず、友達からの年賀状が一通も来ない人間でさえ、彼女がいるのだ。あなたにだって、絶対に彼女はできるのだ。「同性の友人」と「恋人」では、相手を惹きつける要素が違ってくるが、それにしたって、私のような孤独な人間でさえ彼女がいることを知れば、少しは勇気が湧いてくると思う。
私も男だから分かるが、「彼女がいない」というのは、つらいことである。その期間が長くなればなるほど、つらさは増していく。なかには、「彼女がいない」というだけで、自分を徹底的に否定する人もいる。
そんな人は、友達からの年賀状が一通も来ない私を、見下してみることをお勧めする。
「この人に比べれば、自分はまだマシだ。この人に彼女がいるなら、自分にもできるかもしれない」
そう思ってくれて、その人が少しでも自信をつけられるなら、私も嬉しいと思っている。
1月 4th, 2012 at 11:35 PM
今年は喪中なので仕方ないですが、私もずっと何年も年賀状は美容院とかマッサージ店の類いのみです。
まあ、私の場合は学生時代からそんな感じなので今更寂しさとかはないんですけどね(苦笑)。
そんな人間でも何人かの男性は私と恋人になってくれたことが唯一の人生の救いでした。
二条さんと同じく、恋人がいなくて悩んでいる女性達には私を見下して前向きになって貰いたいな・・と思っています。
1月 5th, 2012 at 12:01 AM
憂愛さん
今年もよろしくお願いします。
憂愛さんも、友人からの年賀状はゼロですか。私たちのような者にとって、恋人ができるというのは、本当に「救い」ですよね。案外、年賀状が来ない人いうのは、多いかもしれませんね。
お互い、ブログを通じて、人を勇気付けたいものですね。