40代のひきこもり。

先日、「ひきこもりによる職業体験発表」を行ったのだが、その際、特に感じたのが「親世代の高齢化」だった。ひきこもりの親たちはどんどん高齢化していき、すでに「老人」の域に達している。ひきこもりたちはすでに40代に達しており、その親もかなり年老いているのだ。

親が死んだあと、ひきこもりに待っているものは、以下の四つである。

「自殺」、「ホームレス」、「精神病院」、「生活保護(福祉の世話)」。

大まかに行って、この四つに大別できる。およそ、ネガティブなものばかりである。親たちに訊いたことはないのだが、愛する我が子に、この四つのどれに進んで欲しいだろうか?

……どれもイヤな筈である。親の率直な気持ちとしては、「贅沢できなくてもいいから、普通の人生を歩んで欲しい」といったところだろう。

40代のひきこもりに対する支援策は、とても貧弱である。たいていの支援団体は「20代、30代の支援」がメインであり、40代のひきこもりは、支援団体の手からもこぼれ落ちてしまっている。

このままでは、まずい筈である。年を取ったひきこもりこそ、その対策が急務な筈である。もっといってしまえば、20代のひきこもり支援をそっちのけにしてでも、40代のひきこもり対策を練るべきである。

40代のひきこもりになると、「20年働いていない」などといったケースも珍しくなく、社会復帰はなかなか厳しい。だが、だからといって、上記した四つの選択肢に送り出すのは、あまりにも気の毒すぎる。ひきこもりといっても、普通の精神状態を保っている人もいる訳であり、そんな人を精神病院や生活保護に送り出すのは、誤った進路決定であるし、税金の無駄遣いでもある。

40代のひきこもりに対して、もっとも現実的な支援方法は、「自宅でできる仕事」を紹介することだろう。安易に福祉に頼らせるのではなく、たとえ月収10万円でも、自宅で稼ぎ、自立させる。これこそが、本来のあるべき支援ではないか。

これからどんどん、ひきこもりたちは高齢化していく。「働けないなら福祉」ではなく、「自宅就労」をもっと積極的に模索したい。

自宅就労には、一つの可能性が感じられるのだ。

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