郷富佐子@シドニー郊外の投票所
2016年7月5日17時00分
■南十字星の下で
7月2日に実施されたオーストラリアの総選挙が、大変な展開になっている。
5日午後現在、定数150議席の下院で、与党・保守連合(自由党と国民党で構成)、最大野党の労働党がともに過半数の76議席に達していない。投票日から3日たつのに、いまだに勝者が決まっていないのだ。
過去に議席数が真っ二つとなった「ハングパーラメント(宙づり議会)」はあったが、この期に及んで議席数そのものが判明していないというのは前代未聞だ。なぜ、こんなことになったのだろうか。
それを考えるとき、欠かせないのがオーストラリアの独特な選挙制度についての知識だ。日本人の私からみると、そこには非常に興味深い要素がたくさんあるように思えてならない。
まず前提として、オーストラリアで投票は義務だ。正当な理由なく投票しなかった場合は、20豪ドル(約1500円)の罰金が科される。そのうえで、有権者の都合を配慮するさまざまな工夫がなされている。「投票は義務なのでしてください。でも、できるだけ投票しやすいよう、事務方もあらゆる便宜を図ります」というスタンスだ。
今回の遅れの原因として間違いなく言えるのは、2大政党の間でかつてないほど大接戦になったことだ。接戦になるほど、精度を上げるために「全投票数」に近い票を集計する必要がある。
関係者の名誉のために言うと、…
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