結婚すれば親は安心する?
父は、どうやら私に結婚して欲しいらしい。多くの親は、我が子に結婚を望む。子供が結婚すれば安心できるという親は、かなり多い。
ひきこもりの私にとって、父は最大の理解者であり、一番の味方である。私は父を全面的に信頼しているし、父も私のことを絶対的に愛してくれている。
だが、私には「淳也が結婚すれば安心だ」という、その気持ちが理解できない。中年ひきこもりの息子が結婚したとして、その「幸福な」生活が恒常的に続くでもと思っているのだろうか?
私は恋人のことをとても愛しているが、恐らく、結婚すれば一年もたずにその関係は破綻するだろうと思う。私の精神が結婚というものに耐えられないし、「妻」特有の「夫に依存したい」という気持ちが、大きな負担になってしまう。私は他者から依存されることが、とても嫌いなのだ。
結婚すれば、守るべき者を持つことになり、経済的負担も精神的負担も数倍になる。束縛も干渉も数倍に跳ね上がる。結婚すれば人生の困難は倍増するのに、どうして「結婚」が「安心」に繋がるのか、その心理メカニズムが私にはまったく理解できない。
親は、とにかく「安心したい」と思う。もはや「子供の幸福」は関係ない。我が子の気持ちはどうでもよくなり、「とにかく自分が安心したい」と強く願う。年を取った親というのは、大抵そうだ。
私は、親に特別な心配をかけてきた。一人暮らしをしながらひきこもるということは、実家に住むひきこもりよりも親不孝なことであり、それゆえ、私は大変な心配を親にかけている。
私だって人の子である。親を安心させたいという気持ちも、少なからずある。だが、どうして「結婚」が「安心」に繋がるのか、その仕組みが理解できていない以上、結婚することはできない。
「結婚すれば淳也のひきこもりも治り、まっとうな社会人になってくれるのではないか」
そんな希望的観測もあると思う。だが、その希望的観測は、間違っていると思う。人付き合いを怖れて自室に籠もっているような男が、結婚に向く筈がないのだ。常識的に考えれば分かることだ。
このブログを読んでいる親御さんがいたら、訊いてみたい。
我が子が結婚すれば、どうして安心するのですか?