ひきこもりも悪くない。

「ひきこもり」と聞くと、誰もがネガティブなイメージをすぐに想像すると思う。だが、実際は、そうでもない。当人は、意外と気楽に生活していたりもする。もちろん、親の老いや毎日の罪悪感など、向き合うべき難問は多いが、それにしたって、働くよりかはストレスの少ない生活を送っている。

私も、外でフルタイムで働いていた時よりかは、はるかにストレスの少ない生活を送っている。多くの人は、「中年でひきこもっている」と聞くと、「この親不孝者が!」と叱りつけたくなるようだが、そうではないと思う。親にしたって、我が子が派遣社員で働いてゴミ扱いされたり、自殺寸前まで追い詰められたりするよりは、家にひきこもってでも、生きていて貰いたいと思っているものなのだ。

ひきこもりの子を持つ親の苦労は並大抵のものではない。だが、親は大変な苦労をしてでも、我が子に生きていて貰いたいと思っている。「親より先に死ぬことは、最大の親不孝」と言われる。ということは、今自分が生きているということ自体が、親孝行になっていると思うのだ。

私の父は、私のことを全面的に受容してくれる。その父が私に望んでいることは、「私が笑顔で暮らすこと」らしい。「正社員として働くこと」でもなければ「結婚すること」でもないのだ。

外の世界で正社員として働いて、毎日「つらい、つらい」「死にたい、死にたい」を繰り返していれば、父はとても悲しむだろう。ひきこもっていても、毎日私が心穏やかに暮らしていれば、父はそれなりに安心する。そう思うと、ひきこもっていることは、それほどの悪ではないと思えるのだ。

私は明日、何も予定がない。昼過ぎまで寝ていて、適当な時間に起きたら、趣味でも楽しむつもりである。そんな生活スタイルは多くの人を苛立たせるが、私はあまり気にしないことにしている。

父が私に望んでいることは、「労働」ではなく「心の平穏」なのだから。

6 Responses to “ひきこもりも悪くない。”

  1. 憂愛 Says:

    良いお父さんじゃないですか!子供の心の平穏を何より望むなんて、かなり人間が出来ていると思います。
    私は子供の頃、両親から「普通であること」「素直な元気でいい子」「優等生」である世間一般の価値観を押し付けられてたのでかなり苦しかったです。

    今でこそ、人並みに結婚しなくても正社員でなくても、私自身が幸せであるなら構わない・・と言ってくれるようになりましたが(まあ、私が「人並み」になることはさすがに難しいとやっと悟ったんだと思います)

  2. 二条淳也 Says:

    憂愛さん

    ホント、父にはすごく愛されていて、助かります。教育は受けていないけど、かなりの人格者だと思います(家族自慢でスミマセン)。

    「優等生であること」を押しつけられるのは、とてもつらかったでしょうね。「憂愛さんが幸せであるなら……」という境地にどうやって達したのか、とても気になります。

  3. バラ Says:

    いいお父さんですね。羨ましい……。

    うちの両親は逆です。精神を病んででも働けといいます。

    ひきこもって家に居られると、みっともないと言われました。

    精神を病んで一時期薬を飲んでいても、見て見ぬふり。「お前が弱いから悪い、皆辛いんだ」と、言われました。

    おそらく、私が自殺しても悲しまないでしょう。むしろ怒りを覚えるかもしれません。「近所の噂の的になる!何てことしてくれたんだ!」と。

    そういう両親です。

    心の支えにならない、理解しようとしない人達です。

    最近、生活保護受給が話題になって支給額を見て驚きました。

    私も、生活保護を貰って暮らしたいです。その事を親に言ったら「そんな馬鹿な考え方しないで働いて生活しろ!」と言われました。

    精神的に辛くて働けなくなったら、親の目の前で死んでやろうと考えています。

  4. 二条淳也 Says:

    バラさん

    たしかに、父親には恵まれたと思います。精神的にまいっている時に、家族にそんな言われ方をしたら、傷つきますよね。バラさんが家族関係で大変つらい想いをしてきたことを知って、心が痛みました。

    世の中には色んな親がいますから、私にはなんとも言えませんが、こうやってコメントのやりとりをすることによって、少しでもバラさんの心が和らいでくれたら嬉しいです。

    報復として死んでやりたいというお気持ちは、とても共感できます。私もそんな想いに駆られることがあります。

    ただ、私はバラさんからのコメントが欲しいので、踏みとどまって欲しいです。私の勝手な想いですが。

  5. バラ Says:

    暖かいお言葉有り難うございます。

    トゲトゲしい心が穏やかになりました。

    気を遣わせてしまい、申し訳ありません…。

    心が不安定で感情が上手くコントロール出来ず、あのようなコメントを書き込んでしまったのを反省しています。

    もう少し、生きてみようと思います。

  6. 二条淳也 Says:

    バラさん

    いえいえ。

    私もつねに心が不安定な状態で、周囲を困らせています。なんら反省することないですよ。不快なコメントは削除しますが、バラさんのは削除の対象ではありませんし。

    私はバラさんの顔も声も知りませんが、こうしてパソコンの画面で文章をやりとりすることも、ある種のふれあいなのかなあと思います。

    共感できる記事ばかりではないと思いますが、ヒマつぶしぐらいになれば、幸いです。

    バラさんが明日、笑顔で過ごせることを願っております。

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