障害者を見下していました。
なにかのテレビで観たのだけど、最近は知的障害の人でも、それなりの給料が貰えるようになったらしい。授産施設だと一ヶ月めいっぱい働いても、月に一万円ほどしか稼げないのだけど、自治体によっては工夫している所もあって、そんな所では、知的障害の人でも七万、八万ぐらいのお金は稼げるらしい。
それを観て、正直、ショックだった。
こんなこと言うと軽蔑されるだろうけど、あえて言う。私は知的障害の人に幾ばくかの優越感を持っていた。自分は身体が健常であり、正常な判断も論理的な思考もできる。彼らはそれができない。ゆえに、私は彼らより人間として上位であり、彼らは劣位である……。そんな「ランク付け」のようなものを持っていた。
だが、この番組を観て、そんな「ランク付け」があてにならないことが分かった。たしかに、私はまともな思考能力が働いているし、まともな日常会話ができる。だが、そんな私が一ヶ月に稼ぐ賃金は、「あの人たち」より、はるかに少ない。あの「見下していた人たち」のほうが、私よりずっと多くのお金を稼いでいる。そんな事実が、少なからずショックだった。
稼いだ額が人間の価値を決める訳ではない。決める訳ではないけど、「どれだけ努力したか」の目安にはなる。私が家で寝ているあいだ、彼らは働いていた訳であり、私が家で悩んでいるあいだ、彼らは汗を流していたのだ。どちらが立派か、もう言うまでもない。
知的障害の人が外で働くのだって、いろいろ苦労もあるだろう。彼らの中にだってヒエラルキーはあるだろうし、いじめだってあるかもしれない。管理する健常者の人から叱られることだって、あるだろう。
どんな人だって、外で働く以上、叱責や注意からは免れない。それに怯えて自室に閉じこもっている私と、それでも頑張って働く彼ら。段ボールを組み立てたり、クッキーにアーモンドを乗せたり、彼らの作業は間違いなく「下級労働」だけど、障害者を見下しながらひきこもっている私なんかよりは、よほど崇高だ。
私が一ヶ月に稼ぐ賃金は、とても少ない。だけど、今度給料を貰ったら、彼らの焼いたクッキーを、「自分で稼いだお金」で買ってみたい気がする。
きっと、おいしいだろうな。
9月 5th, 2011 at 8:36 PM
偏見かもしれませんが、障害者本人はあまり考え込むことも出来ないし、それはそれで幸せなんだろうな・・と感じます。
逆に変に頭の回転が早かったり察する能力があったりするから、周囲の人間の裏の感情まで読み取れ悩みが絶えない人生を送る羽目になったり。。。
余計な雑念がなく、ただ目の前の仕事を淡々としていくのも立派な能力だと思います。
9月 7th, 2011 at 11:53 PM
憂愛さん
障害者本人はあまり考え込むこともない……たしかに、そうかもしれませんね。言われて初めて気がつきました。
ひきこもっているせいか、いつも神経が研ぎ澄まされていて、色んなことを考え込みやすいような気がします。
お互い、淡々とものごとをこなせるようになりたいですね。