読み手を暗くさせる文章。

「あなたの文章を読んでいると、暗くなるんです」

そんなセリフを、何人かの人から頂いた。これは、私の文章に対する、とても貴重な感想である。たとえそれがマイナスの評価であっても、やはり感想を言ってくれるというのは、ありがたい。そんな人には、まずは「読んでくれてありがとう」と言いたい。

だが、だからといって、文章を変えようとはまったく思わない。読む人が明るくなるような文章を書こうとは、まったく思わない。

私はある程度、文章を書くのに慣れている。読む人が明るくなるような文章など、書こうとお思えばいくらでも書ける。

だが、それでは、このブログの意味がなくなる。

私は、ひきこもり当事者の率直な心境を伝えたいと思って、ブログを開設した。他者を温かい気持ちにさせるために開設した訳ではない。読み手を明るくする文章を書くことはできるが、それは私の本心ではない。ウソの文章である。中年ひきこもりのウソなど、誰が聞きたいだろうか。

もし私のブログに意味があるとすれば、それは「うそいつわりのない心境を綴っている」という点にあると思う。たとえ読み手が暗くなっても、不愉快になっても、それが書き手の本心であれば、そこにはなんらかの存在価値がある筈である。逆に、読む人がどんなに楽しい気分になっても、その文章がウソであれば、そこには価値はない。少なくとも、私はそう思う。

私は職業作家ではない。読み手を快適にさせることが目的ではない。読み手に迎合することが目的ではない。ひきこもり当事者が普段、どんな気持ちで日々を過ごしているのかを記述することが目的である。読者が増えればいいなと思うこともあるけれど、それは大した目的ではない。あくまでも、私が本心を綴って、そこに「読む価値がある」と認めた人だけが来ればいいと思う。

私は自分のブログを読み返したりはしないけど、確かに言われてみれば、人を暗くさせる文章だと思う。少なくとも、「笑い」や「希望」はない。だが、「笑い」も「希望」もないのが、中年ひきこもりの日常なのだ。そこを誤魔化すことなく記述することに、最大の価値があるのだ。

世の中のすべての人が不愉快になり、すべての人が見放しても、私は読み手に迎合するような文章は書かないつもりだ。そして、本心だけを綴っていくつもりだ。

4 Responses to “読み手を暗くさせる文章。”

  1. けびん Says:

    久々コメです
    良いと思いますよ
    文章は前から思ってました
    読みやすい
    「今日は○○のパフェを食べた!うまし!」
    とかのくだらないブログなんかより価値あると自分は思います

  2. 憂愛(ゆうぁ) Says:

    はじめまして。ブログ一通り全部読ませて頂きました。
    よくあるつまらないブログと違い、なんて読み応えあるんだろう!という印象です。久々にワクワクした気持ちになりましたよ!少なくとも私はちっとも不快になる文章だとは思いません。

    私も今年三十路、ほぼ引きこもり&一人暮らし(家賃だけ親が払っている)ととても似たような状況です。恋人はいるけど結婚できない(私の場合は相手が出来る状態でない。勿論プライベートの空間がもてなくなる恐怖もありますが)&友達いなくて年賀状は美容院だけ&在宅で出来る仕事を探している・・etcなんだか共通事項が多すぎて親近感をわいてしまいました。
    良かったら私のブログ(醜形恐怖中心に書いていますが、時々対人恐怖&不安障害&場面緘黙にも触れています)にも遊びに来てくださいね♪

  3. 二条淳也 Says:

    けびんさん

    「読みやすい」と言って頂けると、嬉しいです。
    これからも、よろしくお願いします。

  4. 二条淳也 Says:

    憂愛さん

    はじめまして。
    「読み応えがある」と思って頂けて、嬉しいです。誰かをワクワクさせるような文章だと思ったことがなかったので、びっくりしました。
    共通点、かなりありますね(笑)
    そちらのブログにも、おじゃましようかと思います。

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