手紙を書こう。

ひきこもりの人で、両親との仲が良くないという人は、結構いると思う。重度のひきこもりで、部屋から出られず、食事を部屋まで持ってこさせるという人は会話すらないだろうし、そうでなくても、会話がギクシャクして、両親と一緒の空間にいること自体がつらいという人も多い。

それはそうだろうなあ、と思う。私も実家に行ってみて分かるのだが、親と会話すること自体が「危険」をはらんでいるのだ。ヘタに世間話をして、「そんなことより、お前これからどうするんだ?」などと訊かれたら、たまったものではない。親と会話を交わすということが、ひきこもり当該にとってリスクのあることのため、接触自体を避けなければならないのだ。

その意味では、私のように「一人暮らしをしているひきこもり」は楽だと思う。普段は両親と一言も会話を交わさないで済むし、たまにかかってくる電話にも、適当に返事をしていれば済む。労働に駆り立てられる可能性がとても低いという意味で、一人暮らしは極めて安全である。

私は、ひきこもりには珍しく、親とうまくやっている。父も母も、電話してくる時は、たいがい愛想が良い。もちろん、ひきこもっている息子に気を遣っているのだろうが、それにしても、衝突のない親子であることに違いはない。

多くのひきこもりは、そんな私を羨ましく思うかもしれない。そんな人には、私は「手紙」を勧めたい。私はブログでも文通を呼びかけているが、「手紙の交換」というのは、険悪な人間同士の意思疎通にとても効果的であると思っている。言葉のように感情的にならないし、自分の言いたいことは、相手に遮られずにきちんと最後まで伝えられる。さらに、直筆の手紙ならば直筆特有の「誠実さ」が感じられるため、相手の心を動かしやすい。手紙の交換は、ひきこもりにとって、いいこと尽くしなのだ。

このブログを何人のひきこもりが読んでいるのか、私には分からない。もしかしたら、一人も読んでいないかもしれない。

それでも、私は呼びかけたい。ひきこもりの皆さん、親に伝えたいことがあれば、手紙に想いを託すのがいいですよ、と、。

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