「今日で辞めます」
週に三日ほど短時間、働いているのだけど、なんだかもう辞めたくなっている。理由は例によって人間関係である。というより、いつも人間関係が原因で辞めてきた。思い起こしてみれば、人間関係以外の原因で辞めたことはなかったように思う。人間関係が良好でされあれば、私はかなりのことを我慢できる人間なのだ。
私の直属の上司はTさんというおばさんなのだけど、その日の機嫌によって対応が変わることがある。優しくて穏やかな日もあれば、とても攻撃的な日もある。私はそんなTさんに対して、自分がどのように振る舞えばいいか、分からない。仕事を一生懸命しようというのではなく、「今日はTさんは機嫌がいいかな」などと、そんなことばかりが頭を占めているので、とても疲れる。
また、ある仕事に対して、「これはできそうもない」と言ったところ、「これができなければ辞めてもらうしかない」と言われてしまった。実はこの仕事はけっこう特殊で、自分に合わないと思ったら、上司に言って変えて貰うこともできるのだ。パートのおばさんなどは、「私、これは無理だわ」などと言って、けっこう変えてもらっている。だから、私も認められるだろうと思って「別の人にお願いします」と言ったのだが、「できなければ辞めて貰う」と言われたのだ。
このように「できなければ辞めて貰う」という言い方には、とても抵抗を感じる、正直、怒りすら覚える。「やらなければクビにするぞ」という言い回しに、「脅迫」めいたものを感じ、激しい言葉で応戦したくなる。
また、クビをチラつかせることによって、人を強制的に動かそうとする態度に、とても反感を覚える。正直、「分かりました、今日で辞めます」と言いそうになった。
私は、他人から強制的に、意に沿わない行動をさせられることが大嫌いである。また、「脅迫」めいた言葉に、強い敵意を感じる。「高圧的」や「威圧」といったものに対して、強い怒りを感じる。
明日も仕事だ。しかも、一週間のうちで、最もイヤな日だ。「そんな言い方するのなら、僕は今日で辞めます」と言いそうな気がする。この言葉は、すでに私ののど元まで出かかっている。正直、この言葉が出るのは時間の問題だと思う。
この言葉を言えば、脅迫した相手に対する鬱積は晴れる。だが、その日からまた無職の日々が始まり、無力感と罪悪感で潰されそうな日常が始まる。
さて、どうしたものか。