結婚が怖い。
恋人の律子は、私と明らかに結婚したがっている。誕生日などに「プレゼントは何が欲しい?」と訊くと、たいてい「指輪」と答える。おそらくは「薬指にはめる指輪」が欲しいのだろう。
だが、結婚してどうなるのだ。私はひきこもりである。そんな男と一緒に暮らして、なにがどうなるのか。
律子は子供を欲しがっている。だが、子供ができて、大きくなったとき、私のことをどうやって説明するのだろう。
「パパはどうして働かないの?」
と子供が言ったとき、
「パパは働くのが怖いから、ずっとおうちにいるのよ」
などと説明するのだろうか。私の立場はどうなるのだ!
私には「結婚する資格」がない。愛さえあれば、結婚は可能なのかもしれないけど、私の精神が結婚という状態に耐えられない。
律子は家庭的な女性である。私に手作り料理をつくることに生きがいを感じるような女性である。ということは、別居での結婚は彼女は望んでいないということだ。
結婚して二十四時間同居していれば、必ず私に対する愛は冷めるだろう。
なにしろ、一日中寝ていて、「働くのが怖い」「生きているのがつらい」などと四六時中言っているのだ。誰だって嫌気が差すだろう。
また、結婚していながら、自分の部屋に鍵をかけるのも、社会的には禁じられている。夫婦になった以上、ひきこもることは許されないのだ。
ということは、妻になった律子は、いつでも私の部屋にずかずか入ってくるのだ。プライバシーはない。考えただけでも恐ろしいではないか。
私は、どんなに愛する相手であっても、「一緒に暮らす」ということ自体に耐えられない。「誰かと一緒にいる」ということ自体に、おびただしいストレスを感じるからだ。これは多分、先天的な性質だと思う。改善のしようがないと思うのだ。
正直言って、律子とのデートが終わり、「じゃあね」と言って別れる時、すごくホッとする。ああ、やっと一人になれる、と思うと、心の底から安心して穏やかな気持ちになれるのだ。
結婚する資格がないという以上に、社会生活する資格がないのかもしれない。
2月 6th, 2011 at 10:14 PM
分かります.修学旅行ひとりでした.分かります.
つい最近この日記を書き始めているところから拝見しても,
かなり追いつめられた心境があるのではないかと.
だからブログを始められた訳ですね.期待しています.
2月 7th, 2011 at 2:25 AM
実realさん
団体行動から一人だけ外れるのは、経験した者でしか分からないつらさがありますよね。
期待に応えられるか分かりませんが、お時間があれば、見に来て下さい。
コメントには、可能な限り、お返事するつもりです。