働けないという気持ち。
父は昨日、私に「働け」と言った。その口調が、とても自然なものだったことに、私はびっくりしていた。
父は、私が「まともな人間」であると思っているらしい。今は「気が向かないから」働いていないだけであって、やる気になれば働けると思っているらしい。
どうも、父には、ひきこもりの心境というのが分かっていないらしい。働くことに対する強烈な恐怖感と抵抗があることが、どうも理解できていないらしい。
父が私のことを「まともな人間」だと思ってくれたことは、非常に嬉しい。だが、客観的に見れば、やはり十年以上働かずに自室にこもっていたことは、異常と言わざるを得ない。自分が精神病だとは思わないけれど、何らかの欠落部分があることは明らかであり、それを治さないことには、一歩も前へ進めないのだ。
「働け」と言ったということは、「お前はやる気になれば働ける人間だ」と父が思ってくれた証拠である。それはとても嬉しい。少なくとも、「お前は異常だから、働けない」と言われるよりかは、よっぽど嬉しい。精神科に通っていると、医師も看護師も事務員も、患者として私を扱う。精神科の患者ということは、病者だということだ。
私は、自分が精神科の患者と見られることに、強い抵抗がある。自分は異常ではない、正常だという、強い確信がある。
父は、そんな私に「お前は働くことができる人間だ」と言ってくれたのだ。そう見てくれたこと自体は、感謝したい。
だが、どうしても働けないという、この気持ちは分かって欲しかった。他者と交わること、自分の時間を犠牲にして意に沿わぬ作業を続けること、これらをすることが、私にとってどんなに辛いことか、それを分かって欲しかった。
どうして働けないのか、どうしてずっと家にいるのか、正直言って、私にもよく分からない。だが、交流や叱責に強い恐怖心があることは、間違いない。
その強い恐怖心を、父に分かってもらう必要がある。
父しか、私には心のうちを明かせる人がいないのだから。
2月 9th, 2013 at 3:36 PM
凄い気持ち分かります 自分も引きこもりで凄い悩んでます
2月 10th, 2013 at 1:49 AM
ゆうやさん
「なんとかしたい」という自分の意思だけでは、どうしても抜け出せない。そこがひきこもりのつらいところですよね。
自宅で月に五千円でも稼げれば、また違ってくるのだと思うのですが……。