(常子)何か…?お久しぶりです。
えっ?卒業式の日以来だからもう9年ね。
綾さん?綾さんなのね?あ〜!・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」ご無沙汰しております。
(君子)お久しぶりです。
(鞠子)お子さんですか?ええ。
太一といいます。
(美子)こんにちは。
(笑い声)ごめんなさいねお白湯しかなくって。
ううん。
(鉄郎)常子の友達かい?あっ叔父さん初めてでしたっけ?うん。
村野綾と申します。
叔父様のおうわさはかねがね聞いておりました。
どうせろくな話じゃねえだろ?はいおっしゃるとおりです。
そんなはっきり言うなよ。
(笑い声)太一っつうのか。
よっしゃおっちゃんと遊ぶか。
よ〜しこっち来い。
ありがとうございます。
(笑い声)すぐにお会いしに来たかったんだけどそうもいかなくて。
あっどうしてここが?これ引っ越しする時くれたでしょ?住所書いてあったから。
ああ…。
名古屋にいらしたのよね?はい。
旦那様は軍医だって。
大陸にいらしたんですよね?ええ。
だけど戦争中病で亡くなりまして。
一度は名古屋に戻ったんです。
でもすぐに満州にまた…。
最後は向こうでしたので死に目にもあえず。
ご苦労なさったのね。
なんとか息子と2人で実家に帰ったんだけど空襲で焼けちゃっててね。
何にも残ってなかったわ。
母は無事だったんだけど父は最期まで家を守ろうとしたらしく焼けた家とそのまま…。
そうだったの…。
ご愁傷さまでございます。
お心遣いありがとうございます。
今は母と3人で蒲田近くに間借りして暮らしています。
お仕事は?なかなか見つからなくて…。
焼け残った帯留めや指輪を売ってなんとか…。
太一のためにも頑張らないといけないんだけど。
何かお力になれる事はないかしら。
必要なものとか。
お言葉に甘えさせてもらうなら布とか浴衣の余りはないかしら。
布?私の浴衣も母の浴衣ももうおむつになってしまっていて。
お安い御用よ浴衣くらいは。
いいの?もちろん。
フフフ。
ありがとうございます。
そうだわ綾さん。
すいとんぐらいしかないけど召し上がってらして。
そうよ。
一緒にどう?ありがとうございます。
よし夕食はすいとんだってさ。
よかったな。
よかったね。
アハハ!
(笑い声)
(綾)本当にいいのに。
いいのいいの。
そこまで見送らせて。
やはり訪ねてよかったわ。
ん?久しぶりに笑ったわ。
持つべきものは学友ね。
私も久々に綾さんにお会いできてよかったわ。
それにかわいい太一君にも会えて。
フフフフ。
あのころには想像もできなかったものね。
こんなふうになるなんて。
綾さん?ここまででいいわ。
これ本当にありがとうございます。
ううん。
困った時はお互いさまでしょ。
あっそうだ。
今度お母様にご挨拶に伺わせてくれない?いえ結構よ。
でも…。
いいの。
あなたもお仕事で忙しいでしょ?私も子育てで大変だから。
だったら住所だけでも教えて。
お手紙のやり取りくらいしましょうよ。
…うん。
うん。
ただいま帰りました。
(君子)お帰り。
お帰りなさい。
綾さん元気そうでよかったわね。
はい。
私はつらくなっちゃった。
ん?綾さんみたいにお金持ちできれいで頭がよかった人でも苦労してると思うと何だか…。
やっぱり女って損ね。
戦時中産めよ増やせよで結婚推奨されて子どもつくって。
でも夫は戦死。
子どもと残されて…。
そんな人だらけじゃない。
大学出してもらってもこうやって仕事にも就けない女もいるし。
(君子)何言ってるのよ鞠子。
こんな時代になるなんて誰も思わなかったのよ。
ごめんなさい。
鞠ちゃんしまうね。
ありがとう。
(君子)う〜ん…。
かか私が。
ああありがとう。
駄目ねえ。
もう老眼がひどくなって…。
かか。
うん?ごめんなさい。
常子も何?ずっとかかを働かせてしまって。
本当はもう楽させなきゃいけないのに。
いくつになっても苦労かけて。
何言ってるのよ。
苦労だなんて思ってないわよ。
(鉄郎)おい常子。
明日ちょっとつきあえ。
はい…。
叔父さん用って何ですか?また余計なものでも仕入れようとしてるんじゃ…。
バカそんなんじゃねえよ。
こいつらの顔見せようと思ってよ。
えっ?こいつらこいつら。
俺はこれ見ると胸が高鳴るんだ。
みんな生きてるって感じがするじゃねえか。
はい。
それにもう一つ胸が高鳴る事がある。
女だよ。
女?
(鉄郎)みんな男に言われるままじゃねえ。
言い返したり文句言ったりしてんだろ。
そんな様子見てたら笑えんだ。
戦争の間男は戦地に行っちまって女だけで守り抜いたって事が自信っつうかよ強さにつながったのかもしんねえな。
時代は変わったんだ常子。
こんなゴチャゴチャな世の中だから女でもやりたい事ができるようになった。
女にもチャンスが巡ってきたんだ。
今だったらお前も大金つかめるかもしれねえんだぞ。
そしたら家族に楽させてやれる。
(谷)では今から伺わせて頂きます。
はい失礼致します。
五反田。
今から志田先生のお宅に行ってくる。
(五反田)はい。
今日は戻れそうもないから後をよろしく頼む。
分かりました。
行ってらっしゃい。
行ってらっしゃい。
よし常子君これお願い。
あっはい。
(相田)よし印刷所行ってから雪島先生のお宅伺ってきます。
うんよろしく。
行ってらっしゃい。
久々なのに順調順調。
「新世界」売れるといいですね。
売れれば君の企画も通りやすくなるしね。
そうですね。
・はい甲東出版です。
はい。
あ…どうも先生お世話になっております。
ええ。
常子の気持ちは大きく揺れ始めていました。
このまま甲東出版で働くべきかそれとも…
この口紅おいくら?40円だよ。
高いわよ。
高くないよ!あんた隣の闇市行ってごらんよ。
50円で売ってんだよ。
(鉄郎)おい常子。
常子おい。
仕事帰りに何やってんだ?あ…。
いや…もし出版社を辞めたら何をしようか参考にと思いまして。
おぉ〜そうか。
ついにお前も!まだ決めた訳じゃないんです。
もしそうなったらという話です。
まあそう考え始めただけでも大きな一歩じゃねえか。
連れ出したかいがあったな。
叔父さんそれって…。
ああ木綿だよ。
偶然安く手に入ったんだ。
その木綿少し分けて頂けませんか?ん?綾さんにあげたいんです。
いや…。
いくら何でも人がよすぎんだろ。
友達だからって何でもくれてやる義理はねえぞ。
あるんです。
女学校の時試験で不正を働いたとぬれぎぬを着せられた事があったんです。
堂々と不正を行うなんて。
違うんです。
これは…。
言い逃れはできませんよ。
再試験を行うというのはいかがでしょうか。
小橋さんも不正をしていないのでしたら試験で証明すればいいでしょ?その時綾さんが助けてくれて。
私恩返しするって言ったのに何もできなくて…。
だからせめて…。
半分だけだぞ。
ありがとうございます!フフフフ。
遊んでないでこっちおいで。
すみません。
こちらのお宅ってどの辺りですか?そこの角曲がった所ですよ。
ありがとうございます。
・
(赤ちゃんの泣き声)・何回言ったら分かるんだい!こっちの部屋に入れんじゃないよ!・
(綾)すみませんでした。
・またお漏らしまでしやがって。
さっさと洗濯しな!今度やったら出ていってもらうからね!
(登志子)申し訳ございませんでした。
2016/07/05(火) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(80)「常子、出版社を起こす」[解][字][デ][再]
甲東出版に谷(山口智充)や五反田(及川光博)が戻ってきた。雑誌作りを再開する一方で、常子(高畑充希)は鉄郎(向井理)に自分で作ればもっともうかると言われてしまう
詳細情報
番組内容
甲東出版に谷(山口智充)や五反田(及川光博)が戻ってきた。雑誌作りを再開する常子(高畑充希)たちだが、鉄郎(向井理)に自分で雑誌を作ればもっともうかると言われてしまう。そんな折、綾(阿部純子)が常子を訪ねてくる。聞けば戦争中に夫を亡くし、実母と息子と3人で何とか暮らしているという。何もしてやれず、常子は落ち込む。そんな常子を鉄郎は闇市に連れだし、女性でもやりたいことができる時代が来たとはげます。
出演者
【出演】高畑充希,相楽樹,杉咲花,木村多江,向井理,阿部純子,及川光博,山口智充,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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