連続テレビ小説 とと姉ちゃん(81)「常子、出版社を起こす」 2016.07.06


・何回言ったら分かるんだい!またお漏らしまでしやがって。
(綾)すぐに洗って返しますので。
当たり前だよ!さっさと洗濯しな!今度やったら出ていってもらうからね!
(登志子)申し訳ございませんでした。
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
(常子)怖い大家さんね。
(綾)しかたがないわよ。
こっちが悪いんだから。
でもあんな言い方…。
あの方も戦争で旦那さんとお子さん亡くして一人で生きていかなきゃいけないから必死なのよ。
(登志子)常子さん本当にお久しぶり。
お変わりなさそうで何よりです。
ありがとうございます。
どうぞ。
白湯しかありませんが。
すみません。
頂きます。
今日はどうしたの?何か御用が?あ…あの…。
これを渡そうと思って。
よかったら太一君のおむつに使って。
ありがとう。
お母様少しいい?常子さんと2人でお話ししたいの。
ええ。
どうしたの?本当はあなたにうちに来てほしくなかった。
こんなに惨めな暮らしをしてるってあなたに見られたくなかったの。
母だってもうずっとあんな感じよ。
口数は減っていつも暗い顔して口を開けば口論になるばかり。
こんなつらい状況で何のために必死になって生きてるのか…。
ごめんなさい。
これ覚えてる?「青鞜」…。
綾さんまだお持ちだったの。
ええ。
あの日東堂先生が教えて下さったのよね。
(東堂)「元始女性は実に太陽であった。
真正の人であった。
今女性は月である」。
(綾)あれからもう10年近くたつけど私はいまだこの言葉のとおり。
太陽じゃなくて月のままだわ。
だけどこの言葉があるから頑張れているわ。
女はもともと太陽だったって思うと「いつか私も太陽に」って元気が出てくるの。
おかげですっかりボロボロだけど私にとってこれが唯一の心のよりどころ。

(鉄郎)お前の稼ぎで一家を養ってんだぞ。
もっと金稼ぐ事を真剣に考えろ。
(綾)私にとってこれが唯一の心のよりどころ。

(君子)常子遅れるわよ。
は〜い。
行ってきます。
かか行ってきます。
(君子)行ってらっしゃい。
(谷)では各自日程を見極めて調整してくれ。
(五反田相田)はい。
よしじゃあ今日は上がろう。
たまには早く帰らんと奥さんもおかんむりだろう。
(五反田)フフッ。
ここんとこ仕事で遅くなってましたからね。
(相田)帰りに飲んで帰るからですよ。
仕事で遅いんだよ。
失敬だな君は。
すみません。
あの…。
皆さんにお話があります。
どうした?改まって。
私…甲東出版を辞めさせて頂きたいんです。
(五反田)え?おいおい何の冗談だい?冗談ではありません。
どうして?理由は2つあります。
まず1つ目は…お金です。
お金?はい。
時代が目まぐるしく変わっていく中今母と妹は職がなく私一人の稼ぎで暮らしていくのはとても厳しいです。
このままでは私はみんなを守れません。
だから…。
そして2つ目は…本を作りたいからです。
うん?五反田さん以前「作りたい雑誌を作ろう」とおっしゃいましたよね。
うん…。
ああうん。
あの日以来私ずっと自分が作りたいものは何か考えていたんです。
それで今までの自分の人生を振り返って頭の中で思いを巡らせていたらようやく答えに…。
(谷)いや…ちょっと待ってくれ。
だったら辞めずにここで本を出せばいいじゃないか。
雇って頂いている立場ではたとえ本が売れても稼ぐ事ができません。
何だよ。
どういう事だ?自分で会社を作って出版しようと思うんです。
こりゃあ驚いた…。
教えてくれ。
君が作りたい本ってのは一体…。
女の人の役に立つ雑誌です。
女の人の役に…。
戦争が終わった今たくましく前を向いて必死に生きている女の人がいる一方で戦争に翻弄されて苦しんでいる女の人が日本にはまだ数多くいらっしゃると思うんです。
物がない。
お金がない。
どうやって生きていけばいいのか分からない。
こんな状況で戦争によってひどい目に遭った女の人の手助けをしたいんです。
だから…。
そんな彼女たちの役に立つ雑誌か。
はい。
しかし女の君にそんな事が本当に…。
第一会社を起こすお金はあるのか?いえ。
蓄えはあまりありません。
なのでまずは小規模の雑誌になると思います。
女が出版社起こすなんて聞いた事もない。
失敗する可能性もあるんだよ。
それは分かってます。
でもこのご時世もう既に失敗してるようなものじゃないですか。
黙って配給を待っていたら餓死してしまうような世の中ですよ。
闇市に行けば私たち女のお給金と同じかそれよりも高い値段でお米や日用品や食料品が売られています。
このまま何もしない方が怖いと思ったんです。
それにもしこの賭けに出て当たれば大金持ちになれるかもしれない。
今まで苦労かけてきた家族を喜ばす事ができるかもしれない。
ハハッ大金持ちか。
どうやら覚悟は決まってるようですよ。
ああ。
今までたくさんお世話になったのにすみません。
確かに世間がメチャクチャな今こそ好機かもしれん。
君がそう思ったならやれるだけやってみろ。
失敗したらまた戻ってくればいい。
はい。
皆さんに教わった事を糧にして一生懸命頑張ります!2016/07/06(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(81)「常子、出版社を起こす」[解][字][デ][再]

綾(阿部純子)の元を訪ねる常子(高畑充希)は、惨めな暮らしを目の当たりにする。常子は「女の人の、役に立つ雑誌」を作る決意を固め、谷(山口智充)に辞職を申し出る。

詳細情報
番組内容
綾(阿部純子)の元を訪ねる常子(高畑充希)。惨めな暮らしを目の当たりにする。日々のつらい気持ちを支えてるのは大切にしまわれた「青鞜(せいとう)」だった。いつの日か私も太陽となって明るさを取り戻したいという綾の言葉に常子は一つの決意を固める。それは「女の人の役に立つ雑誌」を作ること。戦争が終わっても毎日の生活に困窮する女性たちのため手助けとなる雑誌を作りたいと常子は谷(山口智充)に辞職を願い出るが…
出演者
【出演】高畑充希,及川光博,山口智充,阿部純子
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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