【ニューヨーク=兼松雄一郎】米アップルは5日、今秋にスマートフォン(スマホ)「iPhone」から簡単な操作だけで臓器提供の登録ができるようにすると発表した。臓器提供を促進するための米非営利ネットワーク、ドネート・ライフ・アメリカ(DLA)と組み、iPhoneと臓器提供者リストを直接連携させる。普及台数の多さを生かし、深刻な臓器不足の解決に貢献する。
DLAによると、米国では12万人以上が臓器移植を待っている状態。10分に1人のペースで新たな患者が待機リストに加わっており、1時間に1人の割合で臓器提供を待つ患者が死亡している。1人の臓器提供により最大で8人の命が救える可能性があるという。
アップルはiPhoneの健康管理アプリを通じ、まず臓器提供への理解を深める情報を提供。その上で臓器や眼球、細胞などを提供するための登録を、画面上を数回触る数秒の操作で完了させられるようにする。
アップルは創業者のスティーブ・ジョブズ氏が晩年にガン治療で臓器移植を受けたこともあり、臓器不足問題とは縁が深い。