【ニューデリー=黒沼勇史】バングラデシュの首都ダッカで1日夜(日本時間2日未明)に起きた飲食店襲撃事件で、同国警察は事件発生前にインターネット上で流れたテロの警告情報を察知していたにもかかわらず、テロの阻止に生かせなかったことがわかった。
ハシナ首相のイマム政治顧問が5日、ロイター通信に対し明らかにした。ネット上のテロ情報を監視するバングラ警察の担当者は1日の事件発生前に、短文投稿サイト「ツイッター」で「襲撃がある」との警告情報が複数回、投稿されたのに気づいていたという。
だがバングラでは類似事件の前例がなく、監視担当者は当初「事の重大さに気づかなかった」といい、初動が遅れたとイマム氏は分析する。また襲撃犯が狙うなら「大使館か主要ホテル・レストラン」と誤解し、今回事件が起きた欧風レストランが狙われるとは「全く考えなかった」という。情報解析のミスかどうか「今後捜査する」としている。
今回の事件の犠牲者は当初は外国人18人、バングラデシュ人2人の計20人とされてきた。ただ治安部隊が2日の突入時に、バングラデシュ人の人質1人を襲撃犯と誤って射殺した可能性が5日、浮上している。