僕の世代の頃は結構みんなひねくれていた。しかし、今は本当にひねくれ者がいません。告白するけれど、僕が初めて選挙に行ったのは28歳の頃です。意識がとても低かった。そんな僕にここまで言われて悔しかったら、政治のことをもっと勉強しろと言いたい。新聞を読むだけでもいい。街に出ていろんな人と話をするだけでもいい。せめて生活の中の5%ぐらいは政治に興味を持って暮らしたほうが自分のためになるはずです。
僕は政治家には「他国と戦争しないこと」を求めます。今は選挙になると、保守を名乗る人たちからも「この国を変える」という売り言葉が聞こえてくる。本来の保守とは、変えないこと。時流に乗って「変える」と叫ぶ人は信用できません。僕自身は、今回の選挙は「変えないための選挙」だと思っています。僕が選挙に行かないと変わってしまうかもしれない。だから、僕は選挙に行きます。
候補者がたくさんいる中で、僕は安全保障や憲法改正に対する態度を重視します。この選択を間違えたら国が滅んでしまう。そんなときに、誰もが喜びそうな経済の話をする人は信用できません。こんなときこそ、あえて安全保障についてしっかりと意見を述べている人を選びたいんです。
中国と北朝鮮、沖縄の基地問題をどうするのか。今、日本と中国との関係は決して平和的とは言えませんが、冷戦期の世界はもっと危うかった。いつ何時、飛び火してくるかというときにも日本は憲法を守ってきました。
危険を煽(あお)るのは政治家の常。しかし、科学的に計測しても、今は冷戦期ほど危機的ではありません。この程度で「未曽有(みぞう)の危機」と言う政治家にはだまされないでほしい。
これは世界的な傾向ですが、社会的不安が募ると、人間は集団としてのアイデンティティ、国柄、強いリーダーを求めだします。しかも自衛意識が高揚する。僕は「集団化」と呼んでいますが、ほとんどの戦争や虐殺は、このメカニズムで起こります。人類は何度も同じ過ちを繰り返すんです。