巨弾スクープ! 東芝“チャレンジの温床”社外秘メールを大公開!――社員の“愛社精神”は如何にして歪んだのか
「取締役としての注意義務を怠り、会社に損害を与えた」として、『東芝』が東京地方裁判所に訴えたのは、西田厚聰・佐々木則夫・田中久雄の歴代3社長と、最高財務責任者(CFO)だった村岡富美雄氏と久保誠氏の5人。金融庁による約74億円の課徴金を納付した後、賠償請求額は3億円から32億円に引き上げられた。しかし、7年間に2248億円という大掛かりな利益の水増しを、たった5人の役員で本当に実行できるだろうか。今回入手した資料は、東芝関係者がやり取りした電子メールの一部で、本人が削除したものを復元したフォレンジックデータも含まれる。東芝の不正会計を調査した第三者委員会や、金融庁・証券取引等監視委員会等が保有しているものだ。メールを丹念に読んでいくと、東芝の不正会計は、訴追されている5人のみによる事件ではないことがわかってくる。役員・執行役員・本部長・部課長に至るまで、実に多くの人々が会計・監査のルールを大きく逸脱した行為に手を染めていた。愛社精神・保身・出世欲等、動機は様々だったろうが、“善良なサラリーマン”たちの日常は明らかに異常だ。メールのやり取りは全て実名で行われているが、本稿では、東芝が訴追した元社長・元最高財務責任者以外の表記はイニシャルとした。彼らが不正な会計操作に加担していたことは間違いないが、取締役ではない為、刑事罰に問われるかどうかは不確かであり、敢えて実名は記さない。
これは、東芝の原発子会社『ウェスチングハウス』(東芝社内での略称はWEC)のトップであるS氏(東芝から出向)から、東芝の経営陣に宛てたメールである。E&Yは、WECの監査を担当している世界4大会計事務所の1つである『アーンストアンドヤング』を指す。2011年3月に発生した東京電力福島第1原発事故の後、WECが予定していた新規の原発受注に急ブレーキがかかった。辛うじて動いている案件においても、安全性向上の為のコストが増大し、“コストオーバーラン”(実際のコストが見積もりを大幅に超えること)が顕著になっていた。件名 RE:今期の件
E&Yが暴れていて、手を焼いています。財務部から新日本へプレッシャもお願いしています。東京側でのご支援もよろしくお願いします。2013年3月28日付
このように、将来の利益見通しが大きく下振れした場合、企業は資産に計上している“暖簾代”を正味価値に合わせて減額する減損処理や、繰延税金資産の取り崩しをしなければならない。「E&Yが暴れていて」というのは、「E&Yに減損処理を求められて困っている」という意味だろう。新日本とは、東芝の監査を担当していた『新日本有限責任監査法人』のこと。新日本はE&Yグループの一員である。つまり、財務部から新日本に圧力をかけ、E&YによるWECへの厳しい監査を「止めさせろ」と言っているのだ。
メールの差出人は東芝財務部長のW氏で、電力カンパニーのT社長に宛てられている。AP1000は、WECが開発した新型の原発である。2006年以降に総額6600億円でWECを買収した東芝は、その後、「2015年までに世界で39基の新規受注を目指す」としていた。しかし、福島の原発事故の影響もあり、昨年までの受注実績は8基に止まった。数少ない受注案件が“中国・USのAPプロジェクト”だが、ここでも“大きな問題”を抱えていた。ロスコントラストはロスコントラクト(失注)の誤りだろう。一旦は受注したが、コストが増え過ぎた為、工事は止まった。W氏は、プロジェクトを管理していた世界4大会計事務所の1つである『KPMG』から、「この案件は失注したものとして、2Q(第2四半期)で会計処理したほうがいい」と勧告されていたのである。それでも、東芝は対外的に「原発事業は好調」と言い続ける。実態と決算の数字はどんどん乖離していく。件名 RE:再送 FW:WEC AP1000コスト増について(極秘)
先ほど、AP1000のプロジェクト管理を2年以上請け負っているKPMGから、中国・USのAPプロジェクトは大きな問題を抱えており、ロスコントラストにすべきと進言を受けてしまいました。その後、ファイナンススタッフに囲まれ、2Qで追加のコストを認識すべきと進言を受けてしまいました。EY監査でも揉める可能性があります。2013年10月2日付
差出人は、東芝CFOの久保副社長。田中Pの“P”はプレジデントで、田中社長を指す。1億2500万ドルのコストオーバーランを決算上は0ドルとし、当事者であるWECに「『やってやれないことはない』と言わせろ」という社長命令が下ったことを、財務部の部下に伝えている。件名 (WEC)コストオーバーランの件
昨日、田中Pより、もう一度この処理を4Qに伸ばすことの検討をすることの指示を受けました。このためには、東芝チームとしてのコストオーバーを現状の▲125M$から0M$に改善し、(WEC)に目標値としては、可能性はある、と言わせる必要があります。会計士対応等時間は限られていますが、再度、上記の社長指示をご検討お願いできませんか。2014年1月14日付
こうした過酷な“社長命令”を、社員はどう受け止めていたのか。入手したメールの中には、トップからの命令に財務部社員が抵抗を示したことが窺えるものもあった。例えば、次のメールは、高速道路の電子料金収受システム『ETC』事業に、トップから赤字回避の圧力がかかったことに抵抗を示したものと見られる。
東芝には当時から、コンプライアンスを守る為の2本の内部告発ホットラインが設置されていた。1本は、「自分が告発者であることを社内の人間に知られたくない」という社員の為の外部弁護士への直通電話。もう1本は、「外部に話す勇気が無い」という社員の為の社内相談窓口である。だが、2248億円の利益水増しがなされた7年間、不正会計に関わる通報は1本も無かった。彼らは不満を抱えつつ、“上の指示”に従ったのだ。現業を預かる事業部も同じである。件名 【ご確認】ETCロスコンの監査説明について(カンパニー監査及び固定資産現存ヒアリング)
引当が13年度35億円、14年度52億円であり、口頭説明でも14年度に52億円を織り込んでいる点について真実を説明するわけにもいかず、会計士への説明が難しいと考えております。監査人の信頼を失うだけになります。2014年2月28日付
電力事業部門の経理担当者から、同部門トップへの“お伺い”である。スキャデンはニューヨークに本部を置き、世界各国に2000人の弁護士を要する巨大法律事務所『スキャデン』を指すと思われる。内容は定かでないが、東芝にとって都合の悪いレポートであったことは間違いない。AP1000事業の収益性について疑念を持ちつつあった新日本・E&Yの目に触れさせたくない内容だったのだろう。上からの指示は、「基本はとぼける」だった。WEC関連の減損処理を求める新日本・E&Yに対して、東芝は態度を硬化させていく。件名 RE:のれん減損テストに関する本日の新日本とのMTGについて
AP1000コスト精査に関して、繰り返し求められている“スキャデンレポート”については、やはり最後までとぼけて出さないようにすべきでしょうか。ご意見頂きたく。2014年2月28日付
STPは、WECが『東京電力』と共にテキサス州で受注した“サウステキサスプロジェクト”と呼ばれる新規の原発案件である。福島原発事故の後、東電はそれどころではなくなってプロジェクトから撤退。パートナーであるアメリカの電力大手『NRG』も追加投資を取り止めた。これにより、プロジェクトは“凍結”の状態になった。E&YはWECに対して減損処理を求めたが、東芝は「NRGに代わる新たなパートナーを探して、プロジェクトを継続する」と主張して、減損処理を拒んだ。だが、「徹底的に戦え」という田中社長の指示にも拘らず、東芝は2014年3月期、STPで310億円の減損損失を計上することになる。不正会計があったとされる期間、“東芝にやられっ放し”の感がある新日本・E&Yだが、東芝が例外的に主張を受け入れた。件名 【お願い】明日のE&Yとのミーティング
STPの件を報告した際の田中Pからのコメント。STP 一部処理案(50億円未満)すら到底受け入れられない。徹底的に監査人と戦うように。2014年4月9日付
この一件は、田中社長の機嫌を著しく損ねたようだ。
田中社長が、財務部長のW氏に宛てたメールである。「思い通りにならないのなら監査法人など替えてしまえ」という苛立ちが読み取れる。傲慢に見えるが、“企業がお金を払って監査法人を雇っている”という現実を考えれば、監査される企業の社長は立場が強い。「クライアントの嫌がることをするなら、別の監査法人に乗り換えるぞ」と脅す力がある。会計制度が孕む矛盾である。財務部を中心としたメールのやり取りを時系列で見てみると、東芝が組織的に新日本・E&Yの目を欺こうとしてきたこと、更にクライアントとしての立場を使って圧力をかけてきたことがわかる。不正を見抜けなかった新日本・E&Yに落ち度が無かったとは言わないが、監査法人には強制捜査権は無く、クライアントに虚偽の会計データを渡された場合、それを覆す事実を暴き出すのは簡単ではない。況して、クライアントが監査法人を欺く為に“プロ”を雇っていたとしたら、不正を見抜くのは益々難しくなる。今回入手したメールには、その“プロ”の影がちらつく。件名 RE:決算関連
どうも新日本の東芝に対する対応が厳しく変化をしてきているのではないでしょうか? そうだとしたら来年からは別の監査法人を変更を検討するのも必要かもしれません。2014年4月25日付
CFOの久保副社長から、電力部門のI氏・O氏・T氏らに送られたメールである。(財)は財務部を指す。デロイトトーマツコンサルティングは、4大会計事務所『デロイトトウシュトーマツ』のコンサルティング部門である。東芝は、WECの減損問題で核心に迫ろうとしていた新日本・E&Yの目を逃れる為、デロイトを頼ったのである。ここに、監査法人が抱えるもう1つ別の矛盾がある。4大会計事務所には、監査部門の他にコンサルティング部門もあり、同一企業に監査とコンサルティング、両方のサービスを提供するケースもある(東芝の場合、E&Yにコンサルティングは頼んでいない)。コンサルティング料は監査費用よりも高額で、4大会計事務所の重要な収益源になっている。謂わば、東芝は陰でデロイトを知恵袋として、監査法人のE&Y・新日本と戦っていた訳だ。会計監査について言えば、攻めるより守るほうが圧倒的に有利である。メールからは、監査の手法を知り尽くしたデロイトが、E&Yと新日本が崩せない“工作”を東芝の財務部に授けていく様子が窺える。件名 WECコストオーバーラン
Iさん
デロイト・トーマツは(財)として、WECのコスト・オーバーランと減損対策に際し、アドバイスをもらうために依頼したものです。
WECはコスト削減に際し、親会社から圧力がかかっていると会計士に言うリスクがあるかも知れません。デロイトから、このような意見がE&Yに伝わると、最悪の結果になるとの注意を受けました。この点については、Oさん、Tさん、よろしくお願いします。
Iさん、非常に難しい局面ですが、どうかよろしくお願いします。 久保2014年3月8日付
法律に詳しいデロイトは、万が一、不正行為が発覚した場合、自分たちに累が及ばないようにする工作も忘れていない。
ニューヨークにいるデロイトのコンサルタントであるM氏から、WECのトップであるT氏に宛てたメールである。添付の資料が入手できなかったので“入れ知恵”の中身はわからないが、コストオーバーランの問題のみならず、減損間題についても“プロの見立て”を提供するとしている。K氏は、デロイトトーマツコンサルティングの執行役員である。原発事業に限らず、不正会計におけるトラブルシューティングにおいて、東芝の現場はデロイトに依存していた。次のメールは、東芝でパソコン事業等を担当する“デジタルプロダクツ&サービス(DS社)”の副社長(その後、パーソナル&クライアントソリューション社長)であるM氏が、デロイトトーマツコンサルティングの執行役員であるS氏に送ったメールである。件名 RE:Accounting Memo
Tさま
毎度お世話になります。
添付はコストオーバーランに関する会計のメモです。お聞きした範囲の非常に限られた情報に基づいてのコメントとなっています。黄色部分については認識に間違いがないかご確認ください。また、その他の事実関係についても近いに相違がないかどうかご確認いただければ幸甚です。
尚、本メモは、公式にはDeloitteが御社に代わってドラフトしたものでDeloitteの意見ではない、という建付けでお願い申し上げます。従って御社及び東芝様内での使用に限っては、Deloitteからのメモ、と考えていただいて結構ですが、外部に対しては御社のメモとしてお取り扱い頂きたくお願い申し上げます。
質問等ございましたらいつでもご連絡ください。減損関係はKのレビュー待ちの状態です。追ってご連絡申し上げます。
宜しくお願い申し上げます。2013年4月7日付
当時、東芝の佐々木則夫社長から「(DS社を)売り飛ばすぞ」と恫喝されていたことを“こっそり”伝えている。件名 【こっそり】FW:(DS社)組織の件
Sさん
こっそり送ります。
M
>先週の施策編会議では佐々木さんの関心は今期に集中しておりまだ来期以降の換回策については十分な議論が済んで方向性が決まったとは言えない。(少なくともこちらからは言えない)
>先月の社長チャレンジ“このままでは売るぞ”に対し“事業継続の許可”をいただくのは来週15日の重点施策会議の場だと思うのでまずは予算の方向性が(数字が)皆さんの賛同を得ることを先にすべきと思います。2012年2月6日付
M氏のデロイトへの依存ぶりは尋常ではない。2012年の夏、デロイトがDS社関連のデータが入ったUSBメモリを紛失するという“事件”が起きた。次のメールは、その件をM氏が上司のF氏に報告したことを自分の部下に伝えたものだ。
F氏は約束通り、デロイトのK氏とS氏を東京都品川区西大井にある東芝の迎賓館『東芝会館』に招待した。その2年後には、JR品川駅から徒歩圏内にある『東芝山口記念会館』にも招いている。ここは旧三井財閥の幹部だった朝吹常吉の邸宅として、大正14(1925)年に建てられた地上2階・地下1階の洋館である。一流ホテルからスカウトした専属料理人が和洋中の料理を出し、常駐のソムリエもいる。デロイト側から礼状メールが届く。件名 Re:【その後】USB捜索中です
先ほどFさんにこの件報告しました。「デロイトはよくやってくれていると僕は評価している。信頼できるパートナーである。今回は実害がないのなら不問に付すことでいいのではないか」とのご判断をいただきました。明日、この旨(デロイトの)Kさんに伝えようと思います。
この話が終わった後に「パートナーシップは極めて重要である。自らDS社の戦略を説明するから、東芝会館にデロイト幹部を招待してはどうか?」とのお言葉をいただきました。ありがたいことです。こちらのアレンジをお願いできますか?
デロイトチームなら意気に感じて今後もいい仕事をやりとげてくれると思っています。2012年7月5日付
高いコンサルタント料を払ってデロイトを雇っている東芝が、デロイト幹部を接待するのは何故か。不正会計が数年に亘って続き、世間の知るところとなる1年前のこの段階に至って、東芝はデロイトの“プロフェッショナルサービス”を何としても必要としていたということではないか。件名 御礼(デロイトK)
平素より大変お世話になっております。DeloitteのKです。
先日はご多忙の中、Sの送別会を催していただき、ありがとうございました。
改めて、御礼申し上げます。
今回、ちょうど雑誌記事で拝見させていただいた東芝山口記念会館にお伺いさせていただき、良い雰囲気の部屋、吟味された料理、心配りのサービス、極上の経験をさせていただきました。前回の東芝会館とは異なる趣の、歴史ある場所にご招待いただき、貴社の歴史を改めて感じました。
全世界20万人のDeloitteネットワークを活用し、今後も様々なプロフェッショナルサービスのご提供をさせていただければ幸いです。2014年7月29日付
東芝が会計のプロを知恵袋にする作戦は、監査の目を欺くのに功を奏したようだ。不正発覚後、新日本の東芝担当の公認会計士は、不正会計を見抜けなかったことで金融庁から懲戒処分を受けた。その内容は、「契約の新規締結に関する業務の停止3ヵ月。業務改善命令(業務管理体制の改善)。約21億円の課徴金の納付」。公認会計士は、リーダーの3人が実名を晒された上で6ヵ月から3ヵ月、名前を伏された4人が1ヵ月の業務停止を命じられた。新日本関係者は、デロイトの存在を知った後、「東芝の財務部だけでできる訳がない」と怒りを露わにした。一方、デロイトの名前は、これまで報道ベースでも殆ど出ていない。当局からの処分も無い。そして驚くべきことに、不正発覚後も東芝のデロイト依存は続いていた。昨年5月、東芝は自社の不正会計を調査する為、元東京高等検察庁検事長の上田廣一氏を委員長とする第三者委員会を立ち上げた。委員長を含む4人の委員の中の1人である山田和保氏は、直前までデロイトトーマツグループの有限責任監査法人『トーマツ』の経営会議メンバーだった。東芝とデロイトとの関係が知られていればあり得ない人選だが、デロイトが知恵袋となっていることは東芝社内でも知る人は少なく、誰も問題にしなかった。更に東芝は、『デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社』を第三者委員会の調査補助者に起用した。不正の振り付けをした会社が不正を調査する。おまけに、どちらの仕事も費用を払うのは“被疑者”の東芝である。茶番としか言いようがない。当局が刑事告発していない現時点では、“2248億円”という利益水増しの総額を含め、東芝不正会計に関わる全ての事実は、第三者委員会が出した報告書に依拠している。しかし、第三者委員会の報告書が東芝による“自作自演”であったことを考えれば、東芝が旧経営陣を訴えた民事訴訟ではもっと重要なことが抜け落ちている。不正会計の総額は本当に2248億円なのか。不正に関わった東芝社員は総勢何人で、彼らはいつ、何をしたのか――。真実は、闇から闇へ葬り去られようとしている。これに対し、元役員らは今年1月21日に開かれた第1回口頭弁論で、「東芝の主張は抽象的」として請求棄却を求めている。敢えて彼らの胸の内を代弁すれば、「自分たちは『チャレンジしろ』と現場を鼓舞しただけであり、具体的な手口を考え、実行したのは現場である」ということなのかもしれない。
このまま行けば、何十人・何百人の東芝社員が働いた不正は不問に付される。「会社を守る為にやったこと」「上からの圧力で仕方なく」――言い訳はあるだろう。情状酌量の余地もある。だが、不正は不正だ。それを“無かったこと”にして、真の東芝再生などあり得ない。最後にもう1つ、重大な事実を指摘しておこう。東芝・デロイト連合が新日本・E&Yと水面下で激しい攻防を繰り広げている最中、東芝財務部から監査法人のヒアリング対象になる幹部社員向けに“極秘マニュアル”が配られていた。
詳細は書き切れないが、「監査人にこう聞かれたら、こう答えろ」という想定問答集である。中には「限定的に対応(バイセルスキームに波及させない)」等、対応の勘所が記されている。これが配られた時には既に不正会計が発覚していたが、東芝は尚も真実を隠そうとし、殆どの社員はそれに従った。会社が、訴えた5人を“戦犯”として断罪し、不正に手を染めた多くの幹部・社員を“被害者”にすり替える。このシナリオがいつまで続くだろうか。尚、本誌の取材に対して東芝は、「監査法人に対して、監査が厳しいことを理由に圧力をかけたことはありません。デロイトトーマツコンサルティングとのコンサルティング契約は結んでいましたが、個別の契約内容に関しては秘密保持の関係から、回答は差し控えさせて頂きます」と答えた。また、デロイトトーマツコンサルティングは「契約の有無については、如何なるクライアントについても守秘義務によりお答えしておりません」と回答した。東芝は来年3月期決算から、監査法人を『PwCあらた』に切り換える。だが、この衆人環視の中で、PwCあらたが東芝に甘い監査をするだろうか。市場関係者が、既に明らかになっている赤字額以上の“WECに関わる大規模減損のリスク”を懸念するのは、この為である。 (取材・文/経済ジャーナリスト 川端寛)【極秘】PC対応の件(カンパニー監査対応・案)
・本件はFY(=2014年度のこと、編集部注)4Q監査人の大口取引仕訳ピックアップによる内容説明を求められる、カンパニー監査対応は以下の通りで進めたい。2015年9月7日付
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