インタビュー
「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」開発者インタビュー
世界観を楽しみ、できれば“改造”にも挑戦して欲しい!
2016年7月6日 00:00
「ザブングルの食玩だって!?」。バンダイキャンディ事業部が「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」を発表したとき、多くの人が筆者と同じように驚きと喜びの叫びを上げたのではないだろうか。発表から数カ月、6月28日ついに発売された。
本商品はザブングルに合体する「ブングル・スキッパー」、「ブングル・ローバー」、さらにザブングルの武器をセットにした「トラッド11タイプ+オプションセットA」、「ギャロップタイプ+オプションセットB」というラインナップで販売された。
ザブングルは差し替え変形ながら劇中の変形、合体状態を再現可能で、そして商品すべてそろえれば劇中でのザブングルの“フル装備”を再現できるという、ファンの夢を実現した商品なのだ。このこだわりに満ちた商品はいかにして生まれたのか? 本商品の担当であるキャンディ事業部・田中宏明氏にインタビューを行なった。
80年代の思い入れを現在に! ザブングルの世界観に浸れるラインナップ
ここでまず、「戦闘メカ ザブングル」を語っておきたい。「戦闘メカ ザブングル」は1982年放映のテレビアニメで、富野由悠季監督作品であり、以降その放映枠は、「聖戦士ダンバイン」、「重戦機エルガイム」そして「機動戦士Zガンダム」と続いていく。
ザブングルは様々な実験的な要素を盛り込んだ意欲作だった。「2台ある主人公メカ」、「ヒロインが主人公メカで活躍する」、「主人公が途中で愛機を乗り換える」……他にも様々な新要素を積極的に盛り込んだ。そしてロボットの描写も意欲的だった。従来のアニメではロボットは“謎の超技術で生き物のように動く機械”だった。しかしザブングルのウォーカーマシン(ロボット)は高性能ガソリンエンジンで、黒煙を吐く機械”として描写された。その“カッコ悪いカッコ良さ”は以降のアニメロボットに強い影響を与えた。
また、ウォーカーマシンの多くはブルドーザーやシャベルカーを思わせる作業機械そのままの外見をしているが、その中にヒーローロボット風のザブングルが混じるという描写もユニークだった。しかし後に立体物として振り返られる機会は少なく、以降のダンバインや、エルガイムなどに比べ、放映終了後のザブングルの商品化は少なかった。そして様々なロボットが立体化されている現在、ザブングルの“食玩”が発売されるというニュースは、ザブングルファンはもちろん、ロボットアニメファンにとって驚きを喜びを持って迎えられたのだ。
――やはり最初にお聞きしたいのは、「なぜ今この時期に『ザブングル』なのか?」ということです。私もファンなのでとてもうれしいですし、田中さんにまずおかけしたい言葉は「商品化してくれてありがとう!」なのですが、そもそも立体化されることが少ないモチーフですし、どのように立体化が実現できたのか、お聞かせ下さい。
田中氏: 「ザブングルが作りたかった(笑)」というのが本当に、正直な理由です。私は過去コレクターズ事業部に所属して、「超合金魂 戦闘メカ ザブングル」も手がけているんです。なぜそんなにザブングルが好きかというと、小学生の時に放送していた「戦闘メカ ザブングル」に強く魅了されたからなんです。時代は「ガンプラ」を受け、アニメプラモデルへの興味も強かった。ザブングルのプラモデル商品も、すごく期待していたんです。
ザブングルのプラモデルはラインナップが独特で、主人公メカのザブングルがなかなか出なくて、地味な作業機械そのままの「トラッド11(イレブン)」が最初に出た。その独特の機械的な雰囲気や、非常に細かいパーツ構成などは気に入ってウォーカーマシンそのものが大好きになりました。ただその中でザブングルはちょっと解釈が違うと感じたり、番組中盤からのマシンは立体化されなくて、そこは物足りないと感じていました。後半の主役機「ウォーカー・ギャリア」も当時は1/100が出ませんでしたしね。
やはりその時の「あれもこれも欲しかった!」という想いが、当時のプラモデルではできなかった変形合体が可能な「超合金魂 戦闘メカ ザブングル」の企画に繋がり、同梱として当時キット化されなかったプラモデルの「ブラッカリィ」を実現できました。そして「超合金魂 ウォーカーギャリア」では、「ドラン」も実現できた。私自身の仕事ではないですが、その後ホビー事業部から「R3 1/100 ウォーカーギャリア」も発売されました。
これで僕の夢は実現した、完結したなと思ったのです。「超合金魂 戦闘メカ ザブングル」が出たのが2005年で、「R3 1/100 ウォーカーギャリア」が2008年。10年近く前に夢は実現できて満足していたのですが、一緒に仕事をしているクリエイターの方々から「やっぱり、ザブングルいいですよね~」という話を良く聞くようになり、いくつかの企画の案の中から、今度は“組み立て式キット”で、ザブングルに挑んでみようと思ったんです。組み立てて楽しい、今ならではの解釈を盛り込んだキットを目指そう、というのが「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」のスタートへと繋がりました。
――当時のプラモデルはザブングルの変形合体は再現できなかったですが、今回のキットは差し替えできちんと変形するところも興味深いです。しかも4つそろえるとフル装備になって、トラッド11と、ギャロップ、ホバギーまでついてくる。このラインナップも面白いですね。
田中氏: これは「ミニプラ」というフォーマットだから、というところも大きいんです。「ミニプラ」は「動物戦隊ジュウオウジャー」などの「スーパー戦隊シリーズ」を扱うことが多く、合体メカをバラでキット化していて、複数集めると1体のロボになって、劇中のような組み替え遊びもできる。1つのキットを低価格で販売し、集めることでロボットになるという“文化”が、キャンディ事業部にあったんです。このフォーマットで変形合体のザブングルを作ろう、ということになりました。
トラッド11、ギャロップそしてもう1体クラブタイプは、アニメ「戦闘メカ ザブングル」において、“生活感”を表現していた重要なウォーカーマシンでした。ザブングルやダッガータイプ、カプリコタイプなど大型戦闘用のウォーカーマシンがいる一方で、こうした小さなウォーカーマシンがいて、独特の世界観が生まれた。「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」では、この世界観も織り込みたかったんです。同スケールなので劇中のサイズ差も再現しています。
ラインナップ4種類をそろえるとザブングルが変形合体し、フル装備がそろうだけでなく、トラッド11、ギャロップ、ホバギーがそろう。並べることで「戦闘メカ ザブングル」ならではの世界観が再現できる。その感じが良いなと思っています。作業機械そのままの小型ウォーカーマシンと、ヒーローメカらしいザブングルが並んで立つとギャップが生まれる。このギャップも劇中そのままで、そこも気に入っています。
差し替えで合体変形可能。動きに躍動感を与える“脚のライン”に注目!
――次にモデルそのものを見ていきたいです。まずパーツから。
田中氏: 商品ではいくつかの色分け、そしてシールでザブングルを再現しています。黄色い部分はシールですね。部品数は抑えて、最小の手数での再現を目指しました。変形は差し替えでやっています。ザブングルは上半身の「ブングル・スキッパー」、下半身の「ブングル・ローバー」という2体のメカが合体しますが、飛行形態に加え、スキッパーがローバーを牽引する“トレーラー形態”にもできます。トレーラー形態では、本来は足の側面に付いているウィング部分が足を覆うんですが、こちらも別パーツで再現しています。
――ザブングルは手に持つとアクションフィギュアとして情報量や、関節の可動範囲が広いのがわかって、満足感が高いですね。腰の装甲部分はかなり分割されているのも確認できます。この商品において、特にこだわった部分はどこでしょうか。
田中氏: 「超合金魂 戦闘メカ ザブングル」とは関節の解釈なども変えています。こだわった部分はまずスタイリングですね。「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」は、変形は差し替えなので、そのぶんザブングル形態でのバランス、ロボットとしてのフォルムにはこだわっています。ザブングルの格好良さ、立ち姿が決まる感じを追求しています。頭のバランスなど、全身のプロポーションは特にチェックして欲しいですね。
その中でも特に見て欲しいところは、脚ですね。今回の商品の場合、ウィングの処理を過去の立体物とは変えています。これまでは大きなウィングが足の側面を覆うように接続されていたのですが、今回はふくらはぎに直接ウィングを差し込み、脚側面の曲線が見えるようにしてます。この脚の形状がポーズを取らせるときに独特の躍動感を生んでくれるんです。
ブングル・ローバーの変形を考えれば、本当はウィングが脚の側面を覆っているべきなのですが、実際のアニメの描写でも脚の側面が青く着色されている場合もあり、今回のミニプラのように、曲線を持って描かれていることもあるんです。アニメのザブングルの躍動感、動いている雰囲気を活かすデザインはどのようにすれば実現できるのか、設計を手掛けていただいた方々が強くこだわった部分なんです。
「超合金魂 戦闘メカ ザブングル」では“完全変形”にこだわり、できるだけ差し替え部分をなくし変形が実現できるように設計しましたが、今回は差し替え変形のため、ウォーカーマシンでのプロポーションを重視したバランスにしています。
――トラッド11,ギャロップもとてもいいですね。きちんとまとまっている。ギャロップはカーゴ部分はシンプルですが、股下のブースターがきちんとモールドしてあったり、印象的な部分がきちんと再現していて楽しいですね。そして唯一の武器として印象的なマシンガンをきちんと再現してくれているところがうれしいです。トラッド11も特徴をきちんと捉えていますね。
田中氏: 機銃は食玩のフォーマット上結構大きくなってしまっていました。本当はもっと小さいですけど……。腕はパーツ数は少ないですが、肘も曲がります。肩はボールジョイントなのでポーズも色々とれます。トラッド11も各部の構造や可動をきちんと再現しています。
――田中さんにとって、「超合金魂」から2度目のザブングルへのアプローチというわけですが、食玩だから実現できたところ、という部分はあるんでしょうか。
田中氏: あえて言うならば「こだわりすぎない(笑)」というところです。こだわれば、こだわるほど、より精度が高く良いモノができます。でも一方で価格も上がってしまいます。食玩として求められる完成度、食玩としての金型、パーツ割り感……それでも「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」は通常の食玩の枠を越えてしまっているかもしれませかんが……。「やっぱり、ザブングルっていいよね~」の楽しさを再現する必要十分な仕様と価格感ってあると思います。その枠内でどこまでできるか、シリーズ継続は可能か、を考えて仕様を決めているんです。
食玩という業界は良い意味で「過剰にこだわり過ぎない」、「いかに価格を抑えて楽しむか」が非常に発達している。そのスタッフ達の勘所は感心させられます。トラッド11やギャロップのコックピット周りのロールバーはプラモデルだともっと細くいけるかもしれませんが、食玩だと太い。ザブングルの場合もパーツ分割なども最小限で効果を出すべく、関節の構造も今時としては簡素です。
そしてこういった“手を入れられそうな部分”というのは「ユーザーの皆さんに楽しんで欲しい」という部分でもあります。僕たちがザブングルのプラモデルを買っていた時代、1980年代はプラモデルを“塗装・改造”するのが当たり前の時代だった。ぜひ「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」にも手を入れて楽しんでもらえればうれしいですね。
ギャロップのロールバーを真鍮線で作って欲しいですし、スミ入れとか、スジ彫
りをするのもいいですね。工作がちょっと雑でも、むしろザブングルっぽい。自分なりのザブングル世界を自分の手で実現して欲しい、そういう想いも込めています。「敷居は広く、奥行きは深く」というのが、「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」という商品で目指したところです。
――抑えているところをあえて持たせながら、脚の形など、現在ならではのこだわりも込めているのですね。
田中氏: 1980年代のプラモデルはアニメで描ききれない“リアル”を追求していた時代でもあったと思います。一方現代はアニメ描写の人間らしいポーズを、プラモデルやアクションフィギュアの可動と造形表現で再現しようとする方向性もあります。ザブングルの足の部分の湾曲も、アニメの躍動感を活かそうと盛り込んだ要素です。
遊ぶ側も変化していると思います。昔は何時間も改造してこだわりの自分の作品を作り込んでいた。今はぱちっとキットをそのまま組んで、ポーズを取って、スマホで写真を撮ってみんなに見せるという感じです。「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」はそういうスマホ時代に対応した手軽さを意識しています。
――パッケージにも触れておきたいです。実は私も「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」は購入して、1セットのボックスが届いたんですが、この外箱のデザインが良いですね。
田中氏: 外箱は流通時に使用されるものです。店頭では個別パッケージが並ぶことを想定しているので、外箱のデザインはシンプルなものが多いです。今回は1色
印刷でぱっと見てザブングルであることがわかるようにしたいと、デザイナーと遊び心で作ってみました。上蓋にザブングルの顔をあしらい、胸にはザブングルならではの左右非対称のデザインを描いています。
各パッケージはウォーカーマシンの活躍を想像させるCGアートをメインにしています。ザブングルをはじめ1980年代当時のアニメプラモデルの箱の雰囲気を、食玩フォーマットのパッケージに取り込んでいます。
“改造例”を提示! 「イデオン」はこれまで以上に良く動く!?
――そして今回は「改造例」も見せていただけるわけですね。
田中氏: “奥行き”の一例です。それほど凝った改造をしているわけではないですが、手を加えています。ギャロップはスミ入れペンで、胸のグリル部分とかを着色しました。ちょっとした塗装ですが、グッと雰囲気が変わります
マーカーペンでゴシゴシしただけなんですが、きっとウォーカーマシンってそんなにきれいに整備されていない、砂埃で汚れたような世界なんで、塗装もはみ出したりするのもままいいかな、なんて(笑)。みんな中古車使っているような世界じゃないですか。気軽にチャレンジしていただければと思います。
――トラッド11は、手が伸びています。
田中氏: 設定上伸びるんですよ。これは市販のプラパイプで腕を伸ばしています。1/144プラモデルの箱絵でも伸びていますが、劇中でもアイアンギアーから落ちそうになって掴まるところとか、手が伸びる描写があります。油圧パイプっぽくって作業機械らしさが増しますね。こちらもグリル部分や、足の関節部分などを塗装しています。
――確かに塗装すると、グッと雰囲気が締まりますね。一方、ザブングルは、かなり手を加えられていますね。
田中氏: 可動域を増したらどうなるかな? と肘と膝に市販のキットからパーツを流用させていただきました。これにより、膝立ちや、肘を大きく曲げることができるようになりました。肘部分の改造に合わせ、上腕部分を切り離し回転軸を新設しています。
こういった部分はニッパー、カッター、瞬間接着剤に、ドリルなども使って改造しています。前の2つと比べるといろいろ工具を使って、やや手の込んだ改造になっています。関節を仕込んだので変形合体機能はなくなっていますが、可動範囲が大きく広がったことで、より様々なポーズが取らせられるようになります。
――「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」はあえて“こだわりすぎない”姿を提示することで、今回提示した作例や、それ以上を追求する遊び方をして欲しい、という想いもあるのですね。
田中氏: かつて模型少年だったころを思い出して、この商品を“素材”としていろいろ料理して楽しんで欲しい、という思いはもちろんあります。でも今は僕自身も年を取ってきて細かいものが見えにくくなりましたし(笑)、シンナーなどを使う塗料を部屋で使えない。模型少年だったあの頃にそのまんま戻るのは難しい。成形色にシールで作って満足しても、良いじゃないかとも思うんです。「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」そういう今の僕のような方も楽しめるように作りました。
そんな開発している人間の“ゆるさ”もにじみ出ているキットになので、突っ込み所にはぜひ手を加えていただきたく、「ここはこうしたら、ああしたら」と、遊びつつつ手を入れつつ愛着を持って思ってもらえるキットとなったかな? と思っています。
特にやっぱり、トラッド11とギャロップは本当に自分の好きなようにやって欲しい。アニメでも運搬用だったり、無理矢理大型ミサイルをつけたり、様々な塗装が施されていたり、使う人で全然違いましたからね。自分だけのウォーカーマシンを楽しんでいただければと思います。
「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」は、そのまま組んでも、カッコイイポーズが取れて、それをスマホで撮ったり楽しめる商品です。しかし、それだけではありません。1980年代のプラモを思い出して、どう手を入れると自分の想うザブングルに近づけるかを追求できるし、ちょっとだけでも手を入れるだけでさらに思い入れが深くなる要素も盛り込んでいます。
――次回作として発表されている「スーパーミニプラ 伝説巨神イデオン」ですが、こちらもA、B、Cの3つのメカが合体変形するという劇中の設定を再現していますが、Cメカが2パッケージ分というさらに挑戦的な構成になるそうですね。
田中氏: しかも「波導ガン」と、各メカの変形形態を再現する追加パーツのセットもあります。「DX食玩」、「スーパー食玩詰め合わせセット」ともいうべきパッケージになりました。
キャンディ事業部は全高20cmの巨大食玩「機動戦士ガンダム ユニバーサルユニット サイコ・ガンダムMk-II」なども展開している、ユニークな部署です。食玩の手法を活かしながら、色々なチャレンジをしています。ちなみにイデオンは合体すると全高約18cmになります。これもそこそこ大きいですね。ある意味“冒険”といえる商品ですが、こういった商品を面白がって置いてくれるお店が幸運にも増え、ネット通販や大型GMSだけでなく、町のスーパーマーケットからもお声掛けいただき、ありがたい限りです。
――ザブングルの次に、イデオンに挑戦なさったのはどうしてでしょう?
田中氏: イデオンもやっぱり比較的立体化が少ないモチーフだったので、やらねば……と。「スーパーミニプラ」で自分たちが何個商品を生み出せるかわからない段階なので、「思い残すことがないように、まずはやりたいもの、なかなか立体化の無いものを思いっきりやろう(笑)」という想いから、イデオンをモチーフに選びました。分離合体するメカというところもザブングル同様「スーパーミニプラ」のフォーマットの合致しました。
かつて「超合金魂 伝説巨神イデオン」もザブングル同様僕が担当し、最高のイデオンを作ろうというコンセプトで、完全変形にもこだわったものですが、ちょうど同部署の若手から「高くて買えなかった」と言われ……。これなら買ってもらえるかなと。
―― 「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」での脚の部分のラインのような、「スーパーミニプラ 伝説巨神イデオン」でのこだわりの部分はどこでしょうか。
田中氏: こちらも脚なんですが(笑)、作画で描かれていたフォルム、ロボット形態としてのまとまりを重視しています。実は、可動に関しては「スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル」以上なんです。
イデオンは劇中でも、膝立ちのパンチや、敵を蹴り上げたり、分離したAメカでパンチしたり、結構トリッキーな動きを見せてくれました。そのアクションは結構好きでした。商品でも全弾発射ポーズなど、色々なポーズが取れます。
ザブングルより大きい上に変形機構もあるので、可動機構を多く仕込めています。「非常に良く動くイデオン」にもなっているので、ご期待下さい。
――「スーパーミニプラ 伝説巨神イデオン」に続く次回作はいつ頃発表でしょうか。
田中氏: 1弾を発売したばかりで、気が早いですが、あともう少しで続報をお知らせできるかと思います。ヒントは……トラッド11、ギャロップの隣にもう1台ウォーカーマシンが並びます。
――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
田中氏: ザブングルの魅力は、当時のアニメ・プラモブームといった原体験抜きでは語れないかもしれません。当時の空気感を思い出しつつ、組んで、遊んで、手を加えて楽しんでいただければ幸いです。
一方初めて見た人は「この青いロボット何?」と思ったかもしれません。胸は左右非対称だし、腕にタイヤ付いているし……でも、そのデザインと作品世界観のギャップも魅力なので、この商品をきっかけにザブングルが気になった方は、ぜひアニメ本編も見てみてください。
「スーパーミニプラ 伝説巨神イデオン」もあわせて、今後の展開にもご期待下さい。
――ありがとうございました。
(C)創通・サンライズ