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【沖縄にモノ申す】
「安倍首相は第二の加害者!」熱狂県民大会、シールズ女子大生が絶叫した…「オール沖縄」も巧妙に〝演出〟
沖縄県民の総意は米軍基地の撤去なのか、共存なのか。同県うるま市の女性(20)が元米海兵隊の軍属の男(32)に暴行、殺害された事件を受けて開かれた県民大会は、米軍基地に対する沖縄の民意の深層を考えさせられた。大会では事件への激しい怒りが示される一方、「海兵隊は撤退を」といったメッセージボードを一斉に掲げるパフォーマンスが繰り広げられた。安全保障関連法反対デモを行ってきた学生グループ「SEALDs(シールズ)」所属の女子大生が安倍晋三首相と本土の国民を指し「第二の加害者はあなたたち」と涙ながらに訴え、拍手に包まれた会場には本土から来たとみられる労働組合員、さらに極左集団の影も…。大会は〝オール沖縄〟の総意だったのか。熱狂渦巻く会場を離れると、大会を「事件の政治利用だ」と批判する声も聞かれた。(桑村朋)
メッセージボードで「海兵隊は撤退を」
「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会」
少々おどろおどろしい名前を冠した大会は、共産や社民、労働組合などでつくる「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が主催。梅雨明けした沖縄の暑い日が差す奥武山(おうのやま)公園陸上競技場(那覇市)で、6月19日午後2時から約1時間半かけて開かれた。
「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤退を」。こう書かれたメッセージボードが会場の入場口で配られ、参加者たちが開会前、頭上に掲げて事件や米軍基地への怒りをアピール。会場はさながらライブ会場のような雰囲気が漂った。
イラヨーヘイ、イラヨーホイ-。開会に先立ち、歌手の古謝(こじゃ)美佐子さんが子供のかけがえなさを歌った「童神(わらびかみ)」を独唱した。しっとりした音調につられるように会場は静まり返り、全体で被害女性に1分間の黙祷(もくとう)をささげた。
続いて主催団体であるオール沖縄会議の共同代表4人が登壇し、次々とスピーチをした。