文化庁京都移転、11日から実証実験 知事、市長らと意見交換
文化庁は5日、京都移転に向けて11日から24日まで実施する実証実験の概要を発表した。京都市上京区の府庁旧本館、中京区の京都芸術センター(旧明倫小)に職員延べ90人を派遣し、テレビ会議システムを設置して業務に支障が出ないか確認する。宮田亮平長官と山田啓二知事ら政財界、大学の関係者との意見交換も行う。
府や市、滋賀県を含む近畿、中部、中国地方の18の自治体、文化団体と事業について打ち合わせを行い、東京まで足を運ばなくても十分な協議ができるか、確かめる。15日には文化審議会文化財分科会を開き、文化庁と芸術センターに分かれた委員が、リアルタイムで議論する。
宮田長官は2日間、京都を訪れる。21日に関西の首長、経済団体と移転の効果や課題について意見を交わし、22日に関西地域の大学トップと文化行政発展に向けた議論を深める。馳浩文科相も期間中に視察する。
府文化庁移転準備室の辻村徳夫室長は「東京と離れていても支障がないことを明らかにするため、全面的にサポートする。府民の機運盛り上げもアピールしたい」としている。
文化庁は秋の臨時国会開会中にも実験を行う予定でで、国会答弁や議案、議員への説明に支障がないか確認する。また国と府、市は現在、8月末までに移転計画の概要をまとめるため、費用負担の在り方などを協議している。
【 2016年07月05日 22時54分 】