米鉄鋼業界、韓国に強硬姿勢

 「業界を代表し、声明を発表する。米鉄鋼産業は過去12年間、不公正な貿易で大きな被害を受けた。欧米は手を組み、世界の鉄鋼市場の秩序を取り戻さなければならない」

 6月13日から15日にかけニューヨークで開かれた世界最大の鉄鋼業界イベント、鉄鋼成功戦略(SSS)会議で、米業界大手USスチールのマリオ・ロンギ最高経営責任者(CEO)が基調講演の中で突然言及した内容だ。

 ロンギCEOは「中国の政府補助金、為替操作など不公正貿易が米鉄鋼産業を崩壊させている。それ相応の規制を加え、正常化すべきだ」と述べた。鉄鋼業界分析機関のワールド・スチール・ダイナミクスが開いた通算31回目の会議には、世界の業界関係者約1000人が出席した。

 同日発表を行った他の米鉄鋼メーカーも中国を批判し、韓国の鉄鋼輸出にも鋭い攻撃を加えた。会議に出席した韓国鉄鋼業界関係者は「中国が世界の鉄鋼需要をけん引していた2007年には中国を持ち上げるのにう必死だったが、今年はムードが180度変わった。中国だけでなく、韓国に対する殺伐とした敵対感も感じられた」と話した。

■韓国が中国製鉄鋼を間接輸出

 会議で米国の企業・業界団体は申し合わせたかのように中国を批判し、「保護貿易主義こそ公正貿易だ」と主張した。USスチールと業界首位を争うニューコアのジョン・フェリオラCEOは「皆がルールを守るべきだが、守らない人がいることが問題だ。中国の鉄鋼メーカーは土地の無償提供、低利子、低単価の電力といった支援を受け、政府が為替相場も操作しており、それを正常化するためには規制が必須だ」と述べた。主催者WSDのピーター・マルクス会長も「現在の混乱から脱却できる方策は保護貿易主義と重商主義だ」と支持を表明した。

 パネル討論では、ブラジルの鉄鋼メーカー、ゲルダウ、ピーター・カンポ北米法人会長が「韓国は中国製鉄鋼素材を再加工し、米国市場に間接輸出している。米政府は規制に取り組むべきだ」と語った。

柳井(リュ・ジョン)記者
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