News:ニュース速報 | 2003年9月24日 08:12 PM 更新 |
三洋マービック・メディアは9月24日、トウモロコシを原料とする植物由来プラスチックを使用した光ディスクを世界で初めて開発、12月から受注を始めると発表した。トウモロコシ1本からディスク10枚を生産でき、生分解性のため環境負荷が低いという。
CDやDVDなどの光ディスクの基板に使用されているポリカーボネイトは枯渇が心配される石油を原料としている上、廃棄処分も難しい。
同社は三井化学と共同で、トウモロコシを原料としたポリ乳酸から、光ディスクの使用に耐えうる光学特性を備えたプラスチックを開発した。トウモロコシ約85粒で1枚のディスクができるという。ディスク100億枚分をトウモロコシの全世界生産量約6億トンの0.1%以下でまかなえる計算で、「余ったトウモロコシで枯渇性資源を節約できる」という。
生分解性のため、仮に土中に廃棄しても水と二酸化炭素に分解される。焼却しても発生熱量が低く、ダイオキシンなどの有害物質が放出されることもないという。分解や焼却で発生する二酸化炭素は元々植物の炭酸同化(光合成)によって固定されていたもので、大気中の二酸化炭素が増えるわけではないため、処理時の環境負荷を軽減できるとしている。
分解速度は「極めて緩やか」(同社)なため、常温では従来のポリカーボネイト製ディスクと比べて遜色ないという。CDケースや包装フィルムにも天然素材を採用、ケースごと燃えるごみとして処分もできるとしている。
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