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貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います 作者:大沢 雅紀
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再会

「ふん!小僧め!アルテミックすら一度は倒したわしの力を思い知るがいい……なに?」
余裕たっぷりに胴体に迎撃を命じようとしたシーフは驚愕する。
最初の一撃で胴体が光の剣に両断されたからである。
「ま、まさか!そんな!」
シーフの生首は驚いて自らの胴体を見る。両断された胴体は、そのままになっていて再生もされなかった。
「ま、まさか……400年もたっているから、幼竜の肉の効果も薄れて……」
「天誅!」
アベルの剣が生首を縦に両断する。まるでスイカのように綺麗に割れて、生首は地面に落ちた。
「カエデ姉?大丈夫?」
シーフの首に目もくれず、アベルはカエデを介抱する。
ポーションを飲ませると、カエデは薄く目を開けた。
「あなたは……?」
目の前には金色の兜をかぶった怪人がいたので、カエデは声を上げそうになった。
「無事でよかった。僕はアベルだよ!」
怪人はヘルメットを取る。すると。13歳くらいの金髪の少年が現れた。
「あ、アベルちゃん?もしかして、あなたが私を救ってくれたの?」
「そうだよ!」
アベルは嬉しそうにカエデにしがみつく。
「ああ……アベルちゃん。こんなに成長して……」
カエデは愛しい弟のような少年を抱きしめる。
二人は離れ離れになっていた期間を取りもどすように、きつく抱きあった。

「ありがとう。私を心配してきてくれたんだね」
カエデは昔のように、アベルの頭をよしよしとなでる。
「当然さ!僕は勇者なんだから!」
アベルは偉そうに胸を張った。
「勇者……なの?」
「ああ。俺はいずれ世界を救う勇者になる。この兜と鎧はその証だ」
アベルは再びヘルメットをかぶり、ポーズを決める。
手袋と靴がないので中途半端な感じだが、よくいる変身ヒーローのような格好だった。
成長した幼馴染を見て、カエデは涙をながす。
「アベルちゃん。私を助けてくれて、、本当にありがとう」
ふたたびアベルを抱きしめて感謝する。やわらかい胸の感触とフローラルなにおいを感じて、アベルは真っ赤になった。
「ね、姉さん。その、少し離れて……」
アベルがそういったとき、彼の胸元のダイヤがきらきらと輝いた。
「あれ?このダイヤは?」
「僕を勇者として導き、同時に伴侶を探すダイヤ。あれ?こんなに輝いているということは、カエデ姉もぼくの伴侶の一人か。大歓迎だよ!」
アベルはカエデが伴侶の一人だったことに喜ぶ。
「えっ……わたしがアベルちゃんの伴侶?」
「そうだよ。僕と一緒に来てほしい」
そういわれて、カエデの顔も真っ赤になる。今までただの弟みたいな幼馴染としかおもっていなかったが、成長したアベルは美しくて強く、気高かった。
「わかったわ。あなたについていく」
濡れた目をしてカエデはアベルを抱きしめる。
こうして、勇者は新たなパートナーを手に入れたのだった。
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