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虐殺
一時間後
防具屋から帰ってきたゴローは、あまりの惨状に驚く。
長年経験を積んだ冒険者たちが、全員傷つき打ち倒され、地面に転がっていた。
「ヒール!」
それを半泣き状態のノルンが必死で治療しており、猫族の受付嬢がポーションを飲ませている。
「いったい、何があったんだ……」
「いいから、ポーションを買ってきて!魔力回復薬も!」
焦っているノルンに大金を押し付けられ、ゴローはあわてて薬局に行くのだった。
針の山
この日は、そこに住んでいるグレートハリネズミたちにとって災厄の日となった。
いきなり縄張りに入って来た金髪の少年が、問答無用で攻撃してきたのである。
「グレートハリネズミか!僕にぴったりの獲物だ!」
山に入ってきた少年は、物ほしそうに近寄ってきた小ねずみたちに手をかざした。
「『勇光弾』」
餌をもらえると思っていた小ねずみたちに、いきなり光の玉をぶっばなす。
その玉に当たった小ねずみは、一撃で破裂して死んでしまった。
「チュ?チューーーーーー!」
いきなりの暴挙に、ネズミたちは仰天して逃げ惑う。
「あはは!そらそら!」
少年-勇者アベルは調子に乗って光玉を打ちまくる。死んだ小ねずみたちから魔力を吸収して、。アベルの魔力はどんどん高まっていった。
「チューーーー!」
山を登るに連れて、だんだん大きなネズミが現れる。
彼らは子供を殺された怒りに燃えて襲い掛かってくるが、アベルにとっては知ったことではない。むしろいい獲物とばかりに調子にのって虐殺していった。
討伐数が100体を越えたあたり、アベルの体に変化が起こる。
「あれ?」
魔物から吸収した魔力が自らの体に収まりきらず、飽和状態になって自然に体から出ている。その魔力は光の形を取ってアベルを覆っていた。
「もしかして、この光の魔力を使えば?盾になるんじゃないかな」
アベルは考え付いたことを実行してみる。両手を前に出して、盾の形に光の魔力を集めてみた。
「チューーーー!」
ガツンという音がして、前から転がってきたハリネズミを受けとめることができた。
「あはは!これ、いいな!死ね!」
盾でハリネズミの攻撃を防ぎながら、光の玉をうちまくる。
アベルの通った後は、何百もの傷ついたネズミたちが横たわるのだった。

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