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貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います 作者:大沢 雅紀
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回復

「ごぼこぼ!」
気絶していたリトネは、息苦しくなって水中で目を覚ます。
「ぶわっ!」
あわてて水面から顔をだしたリトネが見たものは、ピンク色のかわいらしいものだった。
「尻?でも、汚くない」
目の前の物体はどうみても小さな尻だったが、なぜか汚らしくなかった。
リトネが考え込んでいると、尻がくるりと向こうにいく。
「お兄ちゃん!気がついてよかった!心配したんだよ~!」
満面の笑顔を浮かべて抱きついてきたのは、リンだった。
「リン?え?なんで巨豚の丘に?」
状況が理解できないリトネは、抱き返しながら首をかしげる。
「って!え??なんで?」
思わずリンを離して後ろに下がると、背中が柔らかい二つの膨らみにぶつかった。
「えっ?」
「はーい。いらっしゃい。はあはあ。じゅるり」
なぜか前に手を回されて、上から液体が落ちてくる。
おそるおそる上を向くと、涎をたらしたトーラと目があった。彼女は薄いバスタオル一枚である。
「トーラ?え?なんで?」
「旦那、しっかりしろよ。ここはシャイロック城の大浴場だ」
トーラに言われて、あわてて周囲を見回す。
すると、恥ずかしそうにタオルで体を隠したナディとリトルレットもいた。
「……あんまり見ないで」
ナディは顔を真っ赤にして、湯船に入ってきた。
「あ、あはは。リトネ君は子供だからセーフだよね。えっちな目でみないから大丈夫…じゃない!」
リトルレットも恥ずかしそうに後ろを向いた。
「な、なに?なんなのこの状況?え?俺、もしかして死んで、天国にいるの?」
豚の尻に押しつぶされ、屁をぶっ掛けられて意識を失ったと思えば、いきなり四人の美少女と混浴である。
リトネは何度もほっぺたを抓って確かめた。
「あはは。大丈夫だぜ。旦那はちゃんと生きているから、ほら、元気だし」
「☆凸凹○♪!」
いきなりトーラに急所を握られ、リトネが声にならない叫び声をあげる。
「や、やめて……」
「はあはあ、可愛い声で啼くじゃねえか。いっそ、ここで……」
トーラが暴走し始めた時、いきなり周囲のお湯が凍った。
「ひやっ!」
「冷たい!」
あわててリトネとトーラが湯船から飛び出す。
氷を作ったナディはプンッと顔を背けていた。
「トーラちゃん。そういうのは無しって言ったでしょ。今日はあくまで苛めちゃったお詫びと、リトネ君を元気にするためにお風呂に入ったんだから」
「元気にはなっていると思うけどな!」
トーラは大笑いしながら、仰向けにまったリトネを指差す。ちなみに彼はタオル一枚もまとっていないマッパだった。
「ひやっ!」
あわててリトネは急所を隠す。
「もう……リトネ君。おいで。背中洗ってあげる」
リトルレットがやさしくリトネを招き、椅子に座らせる。そのままやさしくスポンジで背中を洗った。
「どう、気持ちいい?」
背中にリトルレットの吐息がかかる。彼女は人間でいえば中学生ぐらいの発育ぐらいだったが、リトネにとっては充分刺激的だった。
「キモチイイデス……」
こんなにちやほやされたのは初めてなので、リトネは夢見心地になる。
すると、頬を膨らませたナデイがやってきた。
「……次は私の番。頭を洗う」
「はいはい」
リトルレットは苦笑して位置を変わる。リトネの後ろにたったナディは、ぎこちなくリトネの頭を洗い始めた。
「……どう?」
わしゃわしゃと泡立てて髪を洗う。
「うん。気持ちいいよ」
リトネは素直にその感触を楽しむ。途中から慣れてきたのか、ナディも恥ずかしそうにしながらも笑顔を浮かべていた。
「たしか、本で書いてあった。えっと……お客さん、かゆいところはありませんか?」
「おしり」
いきなりだったので、つい本当のことを言ってしまい、リトネはあわてて口をふさぐ。
後ろで真っ黒いオーラが立ち上る気配が感じられた・
「……あなたって人は!せっかく私が洗ってあげたのに!」
後ろから首をチョークスリーパーホールドしてくる。
「な、ナディ、苦しいよ。あと、当たって……ない」
「……どういう意味?」
激怒したナデイはそのまま押し倒す。
「苦しい!苦しい!ギブギブ!」
あまりの苦しさにギブアップして、ようやく離してもらった。
うつぶせでゼーハーと荒い息をつくリトネの後ろに、影が迫る。
「ナディ、代われ。うふふ。お尻がかゆいんだよな……」
それを聞いて身の危険を感じたリトネが四つんばいで逃げようとするが、トーラにつかまってしまう。
「思う存分掻いてやるぜ!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!」
またもトーラに尻をもてあそばされるリトネだった。
「もう。みんな遊んでないで、お兄ちゃんを洗ってあげないと……」
後ろからガッチリとホールドされているリトネに、石鹸をもってリンが近づく。
「おう!抑えておくから、思う存分洗ってやりな!」
リトネの後ろで豪快に笑うトーラだった。
「それじゃ……えへへ。お兄ちゃんと洗いっこするのって、久しぶりだね」
満面の笑みを浮かべて、リンは動けないリトネを隅々まで洗っていく。
「……あ、あっ!ぐっ!やめ……リンは妹!だ、だけど……」
「あっはっは!元気になってよかったな!」
トーラがリトネの状態を確かめて、大笑いする。
「……リトネ、えっち」
真っ赤な顔をしているナディは顔を手に当てているが、指の隙間からジーッと見ていたりする。
「……なんだろう。もやもやするな~。まあ、リトネ君が元気になったのはいいんだけど……もしかしてリトネ君、もう既にそういうことを知っているとか……?」
リトルレットはちょっと疑いの目でリトネを見ていた。
「お兄ちゃんが元気になって、よかったね」
リンは相変わらず明るく笑っている。
(ふぉぉぉぉぉぉ!なんか元気が出てきたぞ!憎っくき尻め!くるならこい!俺はこの光景を思い出すだけで、どんな地獄だって耐えられる!)
いつのまにかリトネの『気力』がMAXまで全快し、体から噴きあがっている。
散々地獄を味わってきたリトネは、天国を体験して完全に復活するのだった。
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