就職難は若者のライフステージの半分を崩壊させてしまう。社会に出る最初のスタート段階でつまずけば、その後の社会生活をスムーズに送るのは難しくなるからだ。「恋愛も結婚も出産も全て放棄した」と宣言する若者たちも増えている。「石を手に持って抵抗しよう」と呼び掛ける声も出始めた。
■ポピュリズム
英国のEU離脱は政治家に対する庶民の反乱だ。政権政党も野党もいずれも残留を訴えたが、国民はその声に従わず、特に庶民はエリート政治家に対する反発を隠そうとしなかった。そこにポピュリズムが入り込んだ。イギリス独立党のファラージ党首のような扇動家たちがEU離脱を訴える内容を聞くと、どこまでも感情的なものしかなかった。
韓国における政治ポピュリズムは英国よりも一層露骨で広範囲にわたる。韓国では英国のように一部の扇動家たちだけが庶民をあおっているわけではない。何よりも政治家が票を金で買おうとする人気迎合主義に突き進んでいる。国の将来など彼らにとって重要な問題ではなく、党派の利益を最優先に考える「政治屋」しかいなくなってしまったのが現状だ。
格差の解消は韓国社会が直面する時代の大きな課題であることに間違いはない。しかし金をばらまいただけで解決するような問題でもない。それは国の仕組み全体を新たに見直し、新しい将来像を提示することで解決に向かう非常に高度な戦略課題でもある。弱者が活躍する生態系と制度を築き上げ、全体のパイも大きくしなければならないだろう。ただし格差の解消を口実に経済の活力をそぎ落とすポピュリズム政策は解決策にならない。逆に国の将来を破壊するだけだ。
歴史を振り返ったときに、大衆の怒りに政治が便乗することで良い結果がもたらされたケースはない。英国のEU離脱に倣って今の状況からの無条件離脱を求める動き。われわれもこのような非理性的な動きを警戒しなければならなくなった。国の進路がより良い未来に向かう軌道から外れ、漂流する最悪のシナリオだ。まずは来年の大統領選挙がそれを占う大きな転換点になる。