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【茨城】

<参院選>18歳選挙権 高校生の意見

 改正公職選挙法が先月19日に施行され、選挙権年齢の下限が18歳に引き下げられた。県内では、ともに10日投開票の参院選と常総市長選が最初の選挙となる。「18歳選挙権」の導入に合わせ、弁論大会で論文を発表したり、期日前投票の立会人になったり。一足早く選挙について考える機会を得た18歳の高校生2人に、感想と意見を聞いた。 (酒井健)

投票立会人の仕事を終え、感想を話す富田さん=笠間市で

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◆期日前投票所で投票立会人 友部高3年富田貴大さん

 若い人は投票に来て

 「(投票者から)目を離さないよう気をつけた。緊張して、疲れました」。笠間市役所内の参院選期日前投票所で先月二十五日、投票立会人を務めた県立友部高三年の富田貴大(たかひろ)さん(18)=笠間市。午前八時半から五時間四十五分の仕事を終えると、ほっとした表情で話した。

 投票立会人は、投票に不正がないかを監視する役割。改正公選法で十八、十九歳の選任も可能になった。部活動でボランティアをしている富田さんは、学校を通じ市選挙管理委員会からの打診を受け、活動の一環として引き受けたという。

 立会人席に座って感じたのは「若い人が全然、来なかった。やはり来てほしいと思います」。

 政治で関心のあるテーマについて聞かれると「奨学金で、大学に進学したいと考えているんですけど…。就職後に、ずっと返済し続けるんですよね」。近年、上昇している学費負担を軽減できる政治を望んでいる。

発表した論文「未来を担う私たちの一票」に目を通す張替さん=常総市で

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◆県高校春季弁論大会で発表 水海道一高3年張替大希さん

 投票は成長する機会

 五月二十二日に自校で開かれた県高校春季弁論大会で、十八歳選挙権について考えた「未来を担う私たちの一票」を発表した県立水海道一高(常総市)弁論部の三年生、張替大希(はりがえひろき)さん(18)=坂東市。選挙で投票することは「私たち自身が考えを深め、成長する機会になること」と呼び掛ける。

 参院選が近づき、十八歳選挙権関連の報道が盛んになったことからテーマに選んだ。原稿では「社会を変えることは難しいが、問題に取り組み、社会を変えようとするそのプロセスで、私たち自身が変わっていくことはできる」と指摘。「新たに投票権を得た私たち一人一人の票が、いずれは日本の将来を変えていくと信じている」と結んだ。大会では五位に入賞した。

 十八歳の自分が投票することになり、当初は「政治や世間を知っていなければ」と不安に感じたという。でも、今は「投票する時には社会問題や政策を調べる。知識を広げ、考えを深めることで、社会全体の人が成長するのが民主主義では」ととらえている。

 

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