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「天体衝突で誕生」東工大など発表

巨大な天体が火星に衝突した際のイメージ図(約40億年前)。これを機に衛星が生まれたと考えられている=「Labex UnivEarthS 2016」提供

 火星の二つの衛星は、約40億年前に巨大天体が火星に衝突したことで生まれたとする研究結果を、東京工業大などの国際共同研究チームが発表した。4日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に掲載された。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、火星の衛星から物質を持ち帰る探査機の打ち上げを2020年代に計画しており、衛星の物質を持ち帰ることができれば、火星由来の物質を世界で初めて入手できる可能性が出てきたという。

 二つの衛星は「フォボス」「ダイモス」と呼ばれ、ともに半径約10キロ。これらの誕生は、小惑星が火星の重力に引っ張られて衛星になったとする「捕獲説」と、地球を回る月の起源として有力視されている「巨大衝突説」の二つがあり、詳細な分析は進んでいなかった。

 東工大地球生命研究所の玄田英典・特任准教授(惑星科学)らは、火星の北半球に巨大なクレーターがあることに着目。約40億年前に、火星の半径の3分の1ほどの巨大天体が火星に衝突したと仮定し、その後の破片の動きを分析した。

 その結果、衝突直後は重さがフォボスの1000倍となる巨大衛星が生まれたが、周辺の破片は巨大衛星の重力で大きく二つに集約されることを確認したという。最初の巨大衛星はその後、火星に落下してなくなり、二つの衛星が残ったと考えられるという。条件を変えて300通りの計算をしても、約30%の確率で同じ結果が得られたとしている。【須田桃子】

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