先日のイスタンブール空港でのISのテロは、ロシアコネクション(要するにチェチェン等のイスラム過激派)があることが昭らになったようですが、al arabiya net はトルコが対IS闘争で協力することをロシアに提案し、ロシアもこれを歓迎していると報じています。
これまで、ロシア機の領空侵犯での撃墜と操縦士の反政府軍による殺害で、ロシアがトルコとの経済関係をほとんど凍結し、観光客の訪問も禁止状態になっていたことを考えれば大きな変化ですが、中東でよく言われる「敵の敵は味方」という諺がぴたりとあてはまる動きですね。

具体的には、トルコ外相が、「トルコは昔からISと戦う誰とでも協力すると言ってきており、彼らに対してはインジルリク空軍基地を解放してきた」と3日のトルコTVとのインタビューで語り、ロシア機に対しても同基地を解放する可能性を示唆したとのことです。
外相の発言はあくまでも示唆であって、具体的な提案ではないようですが、仮にロシア機が同基地を使用することにでもなれば、NATOの基地であって、米空軍機などが使用している基地をロシア空軍も共用するという前代未聞のことが起きるわけで、今後の動きが注目されます。
尤も記事は,対ISという点では両者は共通の利害を有しているが、対シリア政策は大きく異なっている、とコメントして両者の協力が必ずしも容易ではないことも暗示しています。

なお、hurryiet net は3日ウクライナから来た2名の男(1名はロシアとキルギスの旅券所持、もう1名はキルギスの旅券所持)をトルコ当局が、ISに参加するためではないかとの容疑で、拘束したと報じています。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/07/04/تركيا-تقترح-التعاون-مع-روسيا-لقتال-داعش-وموسكو-ترحب.html
http://www.hurriyetdailynews.com/two-foreign-isil-suspects-detained-at-istanbul-airport.aspx?pageID=238&nID=101204&NewsCatID=509