日本で「ベジタリアン」が増えない理由、社会の差別に「うわべの動物保護」も

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われわれは草などを食べる動物を「草食動物」、肉類を摂取せず、穀物や野菜類のみを食べる主義の人を菜食主義者(ベジタリアン)と呼んでいる。菜食主義は一種の理念、またライフスタイルだ。菜食主義はヘルシー志向や動物保護の観点、また宗教上の理由から文化として広がり、世界で実践する人が増え続けている。日本新華僑報が伝えた。
米国ベジタリアン協会のデータによれば、2011年、米国のベジタリアンは人口の約2〜8%だった。文明と進歩を象徴する運動とされるが、一部の先進国は後れをとっている。例えば日本ではカミングアウトしている菜食主義者が非常に少ない。その原因は一体何か? 菜食主義者は秘密の菜食主義を貫いているのか?
世界で「ヒューマニズム国家」として知られる日本だが、菜食主義者向きの食べ物や飲食店は少ない。日本は「米と魚の郷」と言え、食事はご飯と魚が主体だ。そのため菜食主義者は日本で菜食主義者向きの食事の組み合わせを見つけにくい。さらに、菜食のみを提供する店も少ない。そのため菜食主義者の多くは家で食事を済ませるしかないのだ。
日本の「うわべの動物愛護」も一因だ。表面上、日本人と動物の間の愛情は深いが、肉類消費は減少しておらず、動物愛護の観点から菜食主義を主張する日本人は少ない。
また、メディアも菜食主義者を差別的に扱っている。日本社会は個人の選択を尊重しない社会で、メディアも同様だ。日本の芸能界で芸能人が肉類を食べなければ、芸能界からはじき出される恐れがある。菜食主義者を雇用しないことも、多くの日本企業の不文律となった。そのため人々は生きていくために肉類の食べることを余儀なくされる。自分が菜食主義者である現実を秘密にする人が多く、日本で影響力を持つ菜食主義者は特に少ない。
有名な「精進料理」でも、宗教的意義は次第になくなっている。多くの人が「精進料理」を食べるのは、高級感とファッション性を追求することが目的だ。
こうした状況から見て、日本で菜食主義者が増えるのは簡単なことではない。彼らはカミングアウトせずに菜食主義を貫いていくだろう。
(編集翻訳 恩田有紀)