日本人7人が死亡したバングラデシュの首都ダッカの飲食店襲撃テロで、過激派組織「イスラム国」(IS)は3日、正式な犯行声明を出し「イタリア人を含む十字軍22人を殺害した」と主張した。IS攻撃への報復として日本人など外国人を選別して殺害したテロだったことが一層鮮明になった。国際協力機構(JICA)のプロジェクトで滞在し、死亡した日本人7人全員の氏名も判明した。

 ISはこれまで「十字軍連合」として米国や英国に加え、空爆に参加していない日本やイタリアなども非難してきた。今回のテロ実行犯は全員バングラデシュ人だったことも判明、ISの思想に共鳴する地元グループによる犯行とみられる。治安当局によると、実行犯らは比較的裕福な家庭の出身で、高等教育を受けていた。

 地元メディアによると、襲撃された際、飲食店「ホーリー・アーティザン・ベーカリー」内の一角にある事務所に日本人客と一緒に逃げ込んだ従業員に対し、日本人を残してバングラデシュ人は外に出るよう実行犯が指示したという。

 ISの犯行声明は「十字軍諸国の市民に対し、彼らの航空機がイスラム教徒を殺す限り、イスラム戦士の攻撃から逃れられないと知らしめよ」と主張。IS系ニュースサイトも、テロは「ISと戦う国際的な連合に加わる国々に対する作戦」だったと伝えた。

 バングラデシュ治安当局によると、射殺した実行犯6人と拘束した1人のうち5人は過激派として手配していた。実行犯はいずれも20代で、学生が含まれているとの情報もある。

 日本政府関係者によると、犠牲になった日本人7人は岡村誠さん(32)、酒井夕子さん(42)、下平瑠衣さん(27)、小笠原公洋さん(56)、田中宏さん(80)、黒崎信博さん(48)、橋本秀樹さん(65)。

 負傷したのは渡辺玉興さん(40代)。8人ともJICAのプロジェクトに関わるコンサルタント業者の社員だった。

 テロでは日本人やイタリア人など人質20人が死亡、バングラデシュ警官2人も死亡した。(共同)