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貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います 作者:大沢 雅紀
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赤毛の少女

「お兄ちゃん……あの人怖い」
リンはこの少年の剣幕におびえている・
「……最低」
以前ルールを守らなかったことで手痛いしっぺ返しを経験したナディは、わがままを通そうとするその少年に嫌悪感を抱いた。
「顔はかっこいいのに……中身はお子様ね」
リトルレットは幻滅する。
それを見て、リトネは首をかしげた。
(あれ……あいつは勇者アベルだよな。あんな性格だったっけ?)
ゲームでは困っている人を無私の心で助ける勇者として描かれていたはずである。
(まだ13歳のお子様だからか?それとも、なんかあったのかな?まあいいや。一目みただけで勇者に惹かれるといった謎展開は起きなかったみたいだし)
リトネはうれしそうにヒロインたちを見つめる。彼女たちは嫌悪の視線をアベルに向けていた。
「お兄ちゃん。早く行こう」
リンが袖をひっぱる。
「そうだな。揉め事は兵士たちが収めるだろう。俺たちは貴賓室にいくか」
リトネはヒロインたちを連れて、闘技場に入っていった。

闘技場
大きな石造りの円形リングに、大勢の人間が集まっていた。
それを取り巻くように石造りの観客席が作られ、もっとも見晴らしがよい位置に貴賓室が作られている。
そこにはイーグルがくつろいだ様子でリトネたちを待っていた。
「おお、リトネ。どうじゃ。婚約者たちと祭りは楽しんだか?」
「ええ。おかげさまで」
リトネは苦笑する。リンは大量のトウモロコシを、ナディは大きなカップにポップコーンを、そしてリトルレットはせんべいの入った大きな包みを抱えていた
「うむ。貴様の提案のおかげで祭りは盛況じゃ。無駄な金を使うどころか、逆に祭りで儲けることができるとはの。なるほど、「娯楽」というものはいくら売ってもなくならないので大金を稼げるものじゃ」
イーグルはホクホク顔である。商人たちからの協賛金のほかに、各種出店の売り上げの一部や、武道大会をはじめとする歌や踊りなどの各種イベントの収益で大幅な黒字が見込めていた。
「さ、こっちにきて座るがいい。貴様たちもだ」
イーグルは自分の隣の席にリトネを招く。その隣には婚約者たちの席も用意されていた。
リトネたちが席に座ると、武道大会の開始が宣言される。
「皆様!ようこそお集まりくださいました!ただいまより、シャイロック武道大会を始めます」
司会が声を張り上げると、観客たちの歓声が響く。
リングの上に集った参加者たちは両手を上げて歓声に応えていた。
それを見ていたリトネは、一人の少女に目を留める。
(あれ……もしかして彼女は?)
褐色の肌に燃え上がるような赤毛で背は高く、かなりの美少女である。それが露出の多いタンクトップとショートパンツという姿なので目立つ。
「ヒュー!姉ちゃんかっこいいぜ!」
男の観客たちは観客たちは彼女に声援を送っていた。少女はそんな声に耳も貸さず、ひたすら貴賓室のほうをじっとにらみつけている。
(アレは……もしかして。やばいな。アベルもきているのに)
リトネの不安はどんどん高まっていくのだった。
観客たちの歓声が静まると、司会の男が口を開く。
「さあ、今回は130人の力自慢が集まりました。しかし、本選に出場できるの8人だけです。よって、これから予選としてバトルロイヤル方式で互いに戦ってもらいます。ルールは簡単で、降参するかリングアウトすれば負けです。準備はよろしいですか?」
司会の男がそういうと、リング上に殺気が漲る。
「それでは、はじめ!」
司会が手を振り下ろした瞬間、参加者たちが入り乱れての乱戦が始まった。

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