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協賛金
「皆様に集まっていただいたのは、他でもありません。シャイロック領での収穫祭が一ヵ月後に近づいてきました。今まではシャイロック家が費用を負担しておりましたが、今回からはやり方を変えようと思います」
リトネは商人たちに紙を配る。そこには「協賛金のお願い」と書かれていた。
「リトネ様、この「協賛金」とは?」
「要するに、今回から祭りの費用の負担を、皆様方にお願いしたいと思います」
リトネはぬけぬけと言い放ち、深く頭を下げた。
「費用の負担とは……」
「毎年、祭りを行うには警備など、莫大な費用がかかります。一週間の祭りで例年ですと2万アルほどかかりますね。我々シャイロック家がいかに大家といえども、これはきつい。よって、今年からは皆様からの寄付金ですべてまかなおうと思っています」
リトネがそういうと、一部の大商人が笑い出した。
「ははは、シャイロック家の跡継ぎ様は、ずいぶんとケチですな」
「そのような恥ずかしいことをしておりますと、また評判を落としますぞ」
ここぞとばかりにリトネをあざ笑う。彼らは勇者アルテミック生誕祭に関わる汚職で罰金を払わされ、シャイロック家に隔意を持っているものたちだった。
「ご不満でしたらお帰りください。これは強制するものではございません」
リトネがそういうと、何人かの商人が席を立つ。
「ああそうさせていただこう」
「このような者が跡継ぎでは、シャイロック家の未来も暗いな」
彼らは捨て台詞を吐きながら、去っていった。
この時点でで残ったのは半数になってしまう。
「さて、残った方々は協力していただけるということですか?」
「その前に、確認したいことがございます」
一人のまだ若い商人が手を上げる。
「はい。なんでしょうか?」
「我々は商人です。得にならない事にはお金をだせません。協賛金を出すことで、我々にどんなメリットがあるのでしょうか?」
その商人の発言に、同意する声が上がる。
リトネはにやりと笑って、メリットを話し始めた。

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