挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います 作者:大沢 雅紀
73/205

収穫祭

シャイロック領
いよいよ本格的に秋になり、各地で農作物が収穫される。
領都エレメントにも直轄地からの麦や、家臣たちからの新作物の上納分が集まってきた。
「お爺様。今年も収穫祭をしなければなりませんね」
「祭りか……」
リトネからそう聞いた途端、イーグルはいやな顔をする。
以前勇者アルテミック誕生400年祭で散々無駄遣いをさせられて国庫に負担がかかった経験を思い出したからであった。
しかし、そんなイーグルにリトネは笑いかける。
「費用のことは心配いりません。今まではシャイロック家が金を出して祭りをしていましたが、今回からはやり方を変えましょう」
「やり方を変えるだと?いったいどうするのだ?」
「商人に金を出させましょう。彼らは普段シャイロック家の庇護の元、安全に商売をしているのです。これを機会に貯めこんだ金を吐き出させ、市中に流通させましょう」
リトネはそういって、黒い笑みを浮かべた。
「ううむ……だが、奴らは協力するかのう。自分の特にならないことは指一本でも動かそうとしない奴らじゃ」
イーグルは欲深い商人たちが、果たして金を出すかどうか懸念する。
「もちろん。彼らにもメリットを提供する必要はあります。とりあえず、大商人だけではなく新興商人にも声をかけていただけませんか?」
「なぜだ?彼らには資力がないぞ」
「だからこそです。彼らにあるのはチャンスをつかもうとする勇気だけ。それゆえに、死に物狂いでこの機会をつかもうとするでしょう」
リトネは自信をもって断言するのだった。

数日後
イーグルの呼びかけにこたえ、領内や王都、各地から商人がシャイロック領に集まってくる。
「宰相様のお声係だからわざわざ来たが、何をするのでしょう。あなたは聞いていますか?」
「いえ、私は聞いていません。とりあえず贈り物を用意はしましたが……」
商人たちは顔見知り通し、腹の探り合いをするが、誰もなぜよびつけられたかを知る者はいなかった。
しばらくして、広間の扉が開いて一人の少年が現れる。
「皆様、遠いところから祖父の呼びかけに応じていただきまして、心から感謝いたします。私はシャイロック家の跡継ぎ、リトネ・シャイロックと申します」
商人たちの前で丁寧にお辞儀をしたのは、黒い髪の少年だった。
「おお、勇者リトネ様!」
「お世継ぎ様!」
リリパット銅爵領やシャイロック領の商人たちが声を上げる。
「あれが噂の「小さな勇者リトネ」か?まだほんの少年ではないか」
「巨大な魔物を倒すほど強いというが……」
一方、王都や各地から来た大商人たちは、疑いの目で彼を見ていた
cont_access.php?citi_cont_id=875042061&s
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ