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自動車
(魔石自体はすぐれた電池になるんだよな……じゃ、やっばりこれを研究してもらうか)
リトネは杖を掲げて、異世界に意識を向ける。
「異世界で捨てられた発電機こい!」
すると、ちょっと錆びた機械が、何個も目の前に現れた。
「これはなに?」
今まで見たことがない機械を見て、テンションがあがるリトルレットたち。
「これは、雷を起こす機械だよ。ちょっと壊れて動かなくなっているけど、なんとか直してほしい」
そういいながら、リトネは続けて召喚する。
「異世界で捨てられた、中身が残っているガソリン缶こい」
同じように錆びた缶が現れる。
「これが燃料だから。ただ、扱いには気をつけて。感電したり、爆発させないようにね」
「任せて!雷が作れるようになれば、簡単に雷の魔石が量産できる。古代文明の復活だ!」
リトルレットは喜ぶが、リトネは複雑な顔をしている。
(これに成功しても、今度はガソリンをどうやって確保するかが問題になるよな。文明をもたらす道は遠いなぁ)
一人ため息をつくリトネだった。
「どうしたの?リトネ君」
そんな様子をみて、リトルレットが首をかしげる。
「い、いや、なんでもないよ。ええい。どうせガソリンが必要になるんだったら、ついでに研究してもらおう。『所有者をなくしたバイク』こい!『所有者をなくした車』こい!」
毒食らえば皿までとばかりに、バイクや車などの内燃機関を搭載した機械を召喚する。
「……なるべく壊れてないのを召喚したんだけど……いったいどんな状況だったんだ?」
それらを見て、リトネは複雑な顔をする。
バイクのほうは事故を起こしたかのようにフレームが曲がっていたり、ライトが割れていた。
車のほうは軍が使用するような頑丈なトラックで、砂塵にまみれ、いくつも銃弾を受けたような穴があいている。
共通しているのは、どちらもシートに血がべったりとついていることだった。
「うわっ!新しいゴーレムだ!」
リトルレットは血のことなどおかまいなく、珍しそうにペタペタ触って喜んでいる。
「……まあいいや。これらは全部この『ガソリン』を燃料として動くんだ。難しいかもしれないけど、解析を頼むよ」
「任せて!」
リトルレットはうれしそうに頬ずりするのだった。

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