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「プロブロガーの1日を50円で買いませんか?問題」を法的に考える

雑感

はじめに


プロブロガー宮森はやと氏の炎上案件についてです.

 

togetter.com

ブコメをざっと眺めましたが,この問題,法的にはどうなんでしょうか?

気になってちょっとだけ調べてみました.

 


まず,事実を洗い出しましょう,と言いたいところですが,SHIJINさんがすでにまとめていらっしゃいました.

 

shijinblog.hatenablog.com

登場人物は2名.プロブロガー宮森はやと氏とブルーアイズ高卒ドラゴン氏です.

では,彼らの「行為」を確認しましょう.

 

 宮森氏は,自分の1日を50円で「売り」出しました.
 

 一方,ブルーアイズ氏は宮森氏の1日を50円で「買い」ました

 

50円はすでに振り込まれている模様です.

さて,この「売り」「買い」は成立しているでしょうか?


契約の定義

 

契約は,「義務(債務)の発生を目的とする合意」(契約 - Wikipedia)とのことです.

例えば,あなたがコンビニに入っておにぎりをレジに持っていき,「これください」と言ったとしましょう.レジにいる店員さんは,あなたに代金を告げ,あなたはお金を支払います.

このとき,
お店側には「おにぎりを引き渡すという債務」
あなたには「おにぎりの代金を支払うという債務」
が,それぞれ発生します.

民法第555条(売買)
売買は,当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し,相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって,その効力を生ずる.

民法555条は,「売る」という意思表示と「買う」という意思表示が合致すれば,売買契約が有効に締結されるといっています.
(『山本浩司のオートマシステム民法Ⅰ』, p.43)

 

民法555条(売買)については引用の通りです.「売る」「買う」の「意思表示」があればよいのです.書面等は必要ありません.

売買成立


ツイッター画面からは,BASE(ベイス)からの「この度は【1ヶ月限定】プロブロガーの1日を50円で売ります!でお買い物いただき,ありがとうございました.今回のご注文控えメールをおくらせていただきます」という文言が見られます.どうみても二者の間で売買契約は成立しています.したがって,この問題は労働契約法ではなく,民法が適用されるものと思われます.


しかもブルーアイズ氏はすでに代金を支払っています.つまり,ブルーアイズ氏→宮森氏への債務は履行済みということです.

では,宮森氏→ブルーアイズ氏への債務はどうなったのでしょう?

SHIJINさんのブログによると,宮森氏は債務履行を拒み続け,ブルーアイズ氏は,宮森氏が日雇い労働をしないならアリの行動を1日追跡する等を要求しています.

 

やりとりがいろいろあったとしても,すでに「売った」「買った」の「法律要件」はそろっています.すると,「法律効果」が発生します.売買での「法律効果」を二人にあてはめれば,

宮森氏→ブルーアイズ氏の「お金払いなさい」
ブルーアイズ氏→宮森氏の「何でもするを提供しなさい」
です. 

 

繰り返しますが,ブルーアイズ氏から宮森氏には50円が支払われているとのことです.

したがって,残る法律効果はブルーアイズ氏→宮森氏しか残っていません.

さて,この場合,どうなるでしょう?

錯誤については勘違いしたほうが錯誤無効を主張できますが,ブルーアイズ氏は主張しないでしょうね.また,50円サービスは勘違いだったと宮森氏が言うとも思えません.

心裡留保については,ブルーアイズ氏が悪意(冗談・嘘と知っていた)やそう知ることだできた(過失)から無効だ,宮森氏が主張することもできるでしょうけど,そうなったら宮森氏の50円サービスは端っから冗談・嘘だったことになりますね.

たぶん,民法415条債務不履行による損害賠償請求に発展するのかな,と思います(公序良俗に反する依頼なら無効になり,50円返金でお終いでしょうか).

なお,宮森氏が「何でもやります」というなら,便利屋サービス・作業代行サービスの届けが必要かとも思います.

便利屋の開業手続 | 便利屋開業(失敗しない稼ぐノウハウ)

 

さて,結末はいかに.

なお,筆者は法律を勉強し始めたばかりですので,ここは違うという点がありましたらご指摘くださりますよう,お願いいたします.

 

ではまた!