この新技術は、ビデオ撮影が禁止されている場所で赤外線でスマホに信号を飛ばし、スマホが信号を検知すると、画面表示が変わったりビデオ撮影ができなくなるという。
制限されるのは舞台など特定の方向に向けてのビデオ撮影のみなので、同行した友人の写真を撮ったりすることは可能だという。
また、この技術を応用すれば、美術館で作品にスマホを向けると、その作品についての詳細な情報が表示されるといったサービスも可能になる。
(CNN.co.jp 7月1日(金)13時24分配信より引用編集)
◆ネットへ簡単に流出する時代に対応
著作権に敏感な欧米にとっては、映画やコンサートを無断撮影されてネットに流出することによる損害が無視できなくなってきていることによるものだろう。
映画や演劇などの舞台芸能、トークショーなどでは、それを映像や音声で公開されてしまうと大事な演出や話がネタバレになってしまうこともあり、撮影や録画、録音などは一切禁止されているのが一般的。
一方、音楽のライブコンサートでは、YouTubeなどでその模様が公開されることで無料のプロモーションになるという認識もあり、カメラ撮影を禁止しないアーティストがじょじょに増加しているのも事実。
そのため、実際に録画や録音が禁止されるか否かは、主催者側の意図によってさまざまなケースがあるため、会場に一律に制約をかけるのも都合がよくない。
そんな中で、特定の方向に向けるとカメラ機能が遮断されるという発想は素晴らしい。保護したい映像の近くに赤外線発信機を設置すればよいからだ。それ以外の方向ではカメラは正常に作動するので、友人を撮影するには支障がない。
しかし、たとえば、赤外線センサーを指で隠せば、この機能を使えなくすることは可能なので、抜け道はいくらでもありそうだ。アップルもそれは想定し、おそらく赤外線センサーをカメラレンズの直近に配置し、指やシールで隠せば映像に移りこむようになるなど工夫を凝らしてくるだろう。
最近は、AR(拡張現実)の技術も飛躍的に進歩している。画像に移りこんだQRコードを検知して、装置の操作方法の解説コメントを表示させたり、今いる場所を特定して進む方向をアドバイスしたりする技術だ。
これなら、赤外線を使わなくても、ステージ近傍に大きなQRコードを設置しておけば、カメラに映りこんだQRコードを検知して画面を切り替えることも可能だろう。しかし、おそらく、これにも脱獄するアプリが出回り、結局は鼬ごっこになる可能性もある。Bluetoothを使うことも考えられるが、こちらはBluetoothを切りさえすればセキュリティを殺すことができるので、有効ではないだろう。
アップルはすぐには今回の新技術を搭載することはないだろうが、近いうちに、何らかのセキュリティアプリをiOSに標準搭載してくるに違いない。その際、消費者はどのような選択をするだろうか。アップルの高性能を捨ててまでセキュリティなしの格安スマホを選ぶか、セキュリティを許容してアップルを使い続けるか。
少なくとも、使い続けようと思えるぐらいの高性能を維持しておいて欲しいものだ。
隠し撮り防止技術特許の概念図(http://japanese.engadget.com/2016/07/01/apple-anti-recording/より引用)
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