【ニューデリー=黒沼勇史】バングラデシュの飲食店襲撃事件で、実行犯は全員が20歳代で、裕福な家庭の出身で教育水準も高かったことが明らかになった。現地メディアによると、犯人の中には海外留学の経験者もいるという。貧困を背景としたテロという構図が当てはまらないことが浮き彫りになった。同国の治安当局は過激な思想に染まった経緯や、海外との接触の有無などの洗い出しを進める。
バングラ警察によると、実行犯7人は全員バングラデシュ人。詳細は分かっていないが、ほとんどは高い水準の教育を受けた若者だったという。テロ現場でも外国人には英語で、バングラデシュ人にはベンガル語で話しかけていた。現地報道によると、マレーシアの大学に留学経験がある犯人もいた。
ロイター通信によると、実行犯は現場で包囲されている間治安部隊に対して主だった要求をしておらず、犯行の動機には謎が残る。
ただ治安当局は実行犯のうち5人は以前から過激派だったとみている。インターネット上で過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)などのテロ組織に傾倒し、一方的に外国人への憎しみを募らせた可能性もある。
治安当局は実行犯のうち1人を拘束しており、他にもテロの準備に関わった人物がいないかについて聴取する。テロの規模が大きいことから、国外から支援を受けた可能性もあるとみている。
世界のテロ事件を巡っては、例えば欧州からシリアに渡ってISの戦闘員になる若者に、裕福で高い教育を受けた者が少なくないことが分かっている。
貧困で自暴自棄になるだけがテロ参加の理由でなく、社会からの疎外感、閉塞感なども背景になっている可能性がある。幅広いテロ対策が必要になっている。