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あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門
【第39回】 2016年7月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
野口真人 [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

「ブラック・ショールズ式」を知っていますか?

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オプション取引において決定的に重要な役割を担っている「ブラック・ショールズ式」とは、いったいどんなものなのだろうか?難解な知識の代名詞とも言われるこの数式のエッセンスとは?ファイナンス理論の入門書『あれか、これか』のなかから紹介していこう。

あまりにも「ワガママ」な
サイコロゲームの楽しみ方

前回の連載で見たとおり、オプション取引においては、それが対象とする資産のリスクが高ければ高いほど、オプションそのものの価値は高くなる。
しかし、なぜリスクの大きさがオプションの価値を高めるのだろうか?

それに答える前に、まずオプションの価値がどんなふうに計算されるか、ごく簡単に解説しておくことにしよう。

サイコロを1回振って、出た目×1万円の金額がもらえるゲームがある。「1」が出たら1万円、「6」が出たら6万円だ。

賞金の期待値は3.5万円(=(1+2+3+4+5+6)÷6通り×1万円)なので、ゲームの主催者は参加料として1ゲームあたり3.5万円を設定している。ということは、「1~3」の目が出たら赤字で負け、「4~6」の目が出れば利益が出て勝ちということになる。

 「このゲームに参加していたことにする権利」をオプション商品として販売することにしよう。

普通なら参加料は、サイコロを振る前に支払わなければならない。しかし、オプション取引というのは、いわばサイコロの目が出たあとに、それを見てゲームに参加するかどうかを決める仕組みである。「1~3」だったら3.5万円は支払わずゲームに参加しない。「4~6」だったら3.5万円を「後出しジャンケン」で支払い、100%確実に利益を手にする――そんなハチャメチャな権利がオプションなのである。

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野口真人(のぐち・まひと) [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

1984年、京都大学経済学部卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)に入行。1989年、JPモルガン・チェース銀行を経て、ゴールドマン・サックス証券の外国為替部部長に就任。「ユーロマネー」誌の顧客投票において3年連続「最優秀デリバティブセールス」に選ばれる。

2004年、企業価値評価の専門機関であるプルータス・コンサルティングを設立。年間500件以上の評価を手がける日本最大の企業価値評価機関に育てる。2014年・2015年上期M&Aアドバイザリーランキングでは、独立系機関として最高位を獲得するなど、業界からの評価も高い。これまでの評価実績件数は2500件以上にものぼる。カネボウ事件の鑑定人、ソフトバンクとイー・アクセスの統合、カルチュア・コンビニエンス・クラブのMBO、トヨタ自動車の優先株式の公正価値評価など、市場の注目を集めた案件も多数。

また、グロービス経営大学院で10年以上にわたり「ファイナンス基礎」講座の教鞭をとるほか、ソフトバンクユニバーシティでも講義を担当。目からウロコの事例を交えたわかりやすい語り口に定評がある。

著書に『私はいくら?』(サンマーク出版)、『お金はサルを進化させたか』『パンダをいくらで買いますか?』(日経BP社)、『ストック・オプション会計と評価の実務』(共著、税務研究会出版局)、『企業価値評価の実務Q&A』(共著、中央経済社)など。


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