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ホーサクっ

ホッと一息、サクッと読める400字

オタリーマンの『はっぴー!マ()ン()デー』

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月曜日をむかえるのがイヤで、マインクラフトに熱中していたら、朝になってしまった。ゲーム画面と共に朝を迎えるなんて始末だ。

小学生時代のドラクエ三部作以来だろうか

僕は重度のゲーマーだ。飯はなくてもゲームさえあればいい。仕事はドラクエのレベル上げだと割りきっている。企業戦士LV3年。

恋愛は二次元で充分だと思っている。彼女いない歴=年齢で、結婚なんか無理ゲーだ。

電車の中で『マイクラ』をやっていると、画面の中のポリゴンのミドリ色のゾンビが近づいて、ウガアアァ!と僕を、襲ってきた。

「この電車は東京に行きますか?」と。え?

そんなセリフあったっけ???と?が3つ浮かんだ。マインクラフトにセリフある?

「この電車は東京に行きますか?」と再び声がするのでスマホをどけると、視界に小さな女子高生が飛び込んできた。リアルだ。

「い、い、いぎまず。いぎまずよっ!!」と

慌ててこたえると、ほっとした顔をされた。だが女子高生は満員電車を知らなかった。

電車が止まるたびにどっと乗り込んで来る、むさい(自分含む)リーマンに押されてぺちゃんこになってる。僕はなんとか扉を両手で押すカタチで女子高生を守ろうとした。

が、どっ!と押しよせるリーマンに負け、僕も一緒にぺちゃんこになってしまう。無念。

「毎日、こんな感じなんですか?」女子高生

「うん。雨の日は、もっとひどい」僕

「そっか。でも、がんばろう……」女子高生

「まあ、そのうち慣れるから大丈夫」僕

「いつも、この車両なんですか?」女子高生

「東京駅のエスカレーターに近いから」僕

「マインクラフト好きなんですか」女子高生

「うん。今朝なんか徹夜しちゃってさ」僕

女子高生の瞳がキラキラと輝き、マインクラフトが、自分にとってどれだけ大切なゲームかを怒濤のように語り出した。東京駅まで

いつの間にか女子高生と、LINEをふるふるしてる僕。膝もふるふる震えている。マジか!

こんなリアルな、てんかい、ありなのか?

夕方、LINEにメッセージが入った。

『◯◯のマックにいます。マインクラフトしましょう。女子高生より』

僕は、こうやって『未来の伴侶』というレア鉱石を掘り当てた! マインクラフトばんざい!

(900字)