2016年7月4日05時10分
自営業者や非正社員らが入る国民健康保険(国保)の保険料は、都市部の政令指定都市、中核市の中でも、最大で約1・7倍の開きがあることがわかった。かかる医療費や、保険を運営する自治体の支援状況などに違いがあるためだ。全国では保険料収入が増えずに苦しむ国保が多い。比較的豊かな都市部でみても格差がついている。
朝日新聞社が全国20の政令指定都市と47の中核市、東京都中央区の計68市区に聞き取り調査した。年収400万円の40歳代夫婦と高校生、中学生の子ども2人の4人家族で、給与所得者の世帯主が年間支払う医療と介護の2016年度の保険料を対象にした。
最も保険料が低いのは岐阜市の約35万7千円(年収の8・9%)で、最も高いのは山口県下関市の約59万2千円(同14・8%)。この違いには、①使われる医療費②加入者の所得③市の財政的支援である「法定外繰入金」の額④積立金の取り崩しの額⑤保険料の徴収率――などが影響する。
厚生労働省によると、岐阜市の国保加入者の1人あたり医療費は年間約33万9千円(14年度)と、下関市の約42万5千円(同)の約8割だった。岐阜市の法定外繰入金は、14年度に国保加入者1人あたり約1万4千円あったが、下関市の場合は約4千円。医療費が低く、支援が手厚い自治体の保険料が低くなる傾向だ。岐阜市には扶養家族が多い人の保険料負担を減らす独自の仕組みもある。これがないと、10万円以上跳ね上がる計算だ。
この仕組みがなくても2番目に…
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朝日新聞社会部
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