イラクの首都バグダッド中心部で3日、市民を狙ったとみられる爆破テロがあり、衛星テレビ局アルジャジーラによると少なくとも131人が死亡、200人以上が負傷した。過激派組織「イスラム国」(IS)が同日、イスラム教シーア派を狙ったとする犯行声明を出した。
バグダッドでは5月以降、ISによる大規模な爆破テロが続き、治安悪化に歯止めがかからない。1度の爆発による死者数では今回のテロが今年最悪だ。
アルジャジーラやAP通信によると、バグダッド中心部の商業地区カラダの繁華街で、自動車爆弾が爆発した。同地区はISが敵視するシーア派の住民が多いとされる。
犠牲者には少なくとも子ども15人が含まれる。爆発時、周辺はラマダン(断食月)明けの休日を前に買い物客でにぎわっており、犠牲者はさらに増える可能性が高い。ISは犯行声明で「防衛作戦の一環」とした。
また、バグダッド北東部シャアブでも簡易爆弾が爆発し、少なくとも5人が死亡、16人が負傷した。このテロについては犯行声明は出ていない。
イラクでは政府軍が6月下旬、ISが2年半にわたって占拠した中部の要衝ファルージャを奪還。政府軍はイラクにおけるIS最大の拠点である北部モスルの年内奪還を目指している。米軍が主導する有志連合も連日、イラクとシリアでISに対する空爆を続ける。バグダッド中心部の爆破テロは、劣勢に追い込まれたISの報復攻撃だった可能性がある。(イスタンブール=春日芳晃)
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朝日新聞国際報道部
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