麻婆豆腐でなければダメな日がある
まだクツクツと煮えたぎる麻婆豆腐から立ち昇る湯気と香気。これを鼻腔いっぱいに吸い込んだ後、一気にレンゲですくう。ヤケドしそうなほど熱い豆腐をハフハフと口の中で躍らせ、トロミをまとった挽肉をぐっと噛み締め、ビリビリとした花山椒の刺激が舌に突き刺されば、鼻の頭や頭皮からどっと汗が噴き出す。
ちょっとしたマグマになっている口内に、カッキーンと冷えたビールを流し込めば……みなまで言うまい。時折、無性に麻婆豆腐が食べたくなるときがありませんか?
しかし、しかしですよ!
年々確実に増えている私の体重と腹回りの贅肉と血糖値。学生時代はそれなりにスポーツもやってましたけど、あの頃から幾星霜……。40代になったにもかかわらず、食べる量は学生のときと変わってなけりゃ、そりゃ太るよね。
そ・こ・で、ガッチリ食べたい、でもカロリーも気になるお年頃の男子(アラフォー)にオススメしたいのが「大豆だけ麻婆豆腐」。
肉っけはゼロ! 豆腐も大豆(まあ、あたり前か)、挽肉の代わりも大豆(厚揚げの皮とひきわり納豆で代用)、調味料も大豆(味噌)という体にも財布にも優しい一皿を調理します。
これからご紹介する「大豆だけ麻婆豆腐」は、小さな子どもがいる我が家で作っているレシピなので辛味はつけていません。食べるときにお好みの調味料で、お好みの辛さでお楽しみください。
「大豆だけ麻婆豆腐」の作り方(1〜2人分)
材料
- 厚揚げ豆腐(1枚)
- ひきわり納豆(1パック)
- ニンニク、しょうが、長ネギ
(それぞれみじん切りにして、各一つまみくらい)- 小ねぎ(小口切り、二つまみくらい)
調味料
- サラダ油(少々)
- 水(150cc)
- 味噌(約25g ※使う味噌の塩分によって調整してください)
- 鶏ガラスープの素(顆粒タイプで3振りくらい)
- しょう油(少々)
- 砂糖(少々)
- ゴマ油(少々)
まずは厚揚げの皮(?)をそぎ落としていきましょう。多少厚めにそいじゃってもOK。白い豆腐部分が少なくなっちゃうけど。
厚揚げの六面をすべてそいだら、みじん切りに。挽肉の代わりなので、それくらいのサイズに刻むのがよいです。残った豆腐の本体は賽の目切りに。
フライパンに油をしいて馴染んだら、ニンニク、しょうが、長ネギ、厚揚げの皮のみじん切りを投入。ニンニクやしょうがはチューブのものでもかまいません。中火でじっくり炒めます。
いい匂いがしてきたら、水を投入。ついでに鶏ガラスープの素も振りかけ、沸騰するまで待ちましょう。
沸騰したら、先程の賽の目切りした豆腐と、ひきわり納豆をフライパンに。軽くほぐして納豆と豆腐に火が通るようにします。
再び沸騰したら、味噌をよく溶かし、火を止めて砂糖としょう油で甘みとコクをつけ味を整えます。
さっくり混ぜ合わせたら料理を皿へ。香りづけにゴマ油をサッと回しかけ、最後に小ねぎを散らしたら完成です!
実は時短レシピだったりもする
「大豆だけ麻婆豆腐」は、実は時短レシピでもあります。麻婆豆腐に使う豆腐は、くずれないように事前に水切りしたり、湯に通したりの下処理をすることもあるけど、水切りした豆腐を揚げたのが厚揚げなので、それらが一切不要です。
また水溶き片栗粉を使わずとも、実はひきわり納豆の粘りでそれっぽいトロミがつきます。いい塩梅のトロミをつけるのって結構難しいので、その手間が省けるのもこの麻婆豆腐のいいところ。慣れれば10分くらいで作れますよ。
さらに本格的な麻婆豆腐にするなら
最初にも言いましたが我が家では、子どもがまだ小さいので辛味はつけません。その代わり大人は後でラー油や、山椒をかけて辛さを調節しています。
今回は家庭にもよくある材料でのご紹介でしたが、炒める際に豆板醤(トーバンジャン)や豆鼓醤(トウチジャン)を入れたり、味を調えるのにオイスターソースを使うのもいいですね。仕上げに花山椒(ホワジャオフェン)振ると、グッと本格的な味に近づきますよ。
とにかく本物の麻婆豆腐と同様に、白飯とビールがすすむこうけ合いです。ただ一点ご注意を。料理はヘルシーだけど米と麦を取りすぎちゃったら本末転倒ですからね。